過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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592:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:38:16.84 ID:0AsOA6Dxo

 俺は立ち上がって扉へと近付いた。ドアノブは凍てついたように冷たい。

「絶対に、いつか、後悔すると思う」

以下略



593:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:38:44.68 ID:0AsOA6Dxo

 でもとにかく扉を開けるしかなかった。ドアノブを捻ると、扉は簡単に開いた。

「本当に行くの?」

以下略



594:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:39:11.31 ID:0AsOA6Dxo



 机の上に顔をのせてうたた寝してしまっていたようだった。
 
以下略



595:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:39:38.64 ID:0AsOA6Dxo

 階下に降りてリビングに向かうと、灯りがついているだけで無人だった。
 なんとなくの気まぐれで、俺は流し台に置かれたままになっていた食器を洗い始めた。
 退屈なときにいつもそうするように。

以下略



596:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:40:21.41 ID:0AsOA6Dxo

 俺はその様子を見て、なんだか急にいろいろなことの辻褄が合ったような気がした。
 もちろんそれはただの錯覚なんだけど、そのときはそれが真実であるように思えたのだ。

「動物園に行きたいな」
以下略



597:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:40:47.30 ID:0AsOA6Dxo



 翌朝、俺は久し振りに早起きした。洗濯物を干して三人分の弁当を作った。
 妹は驚いていたけれど、俺の作った弁当を照れくさそうに受け取っていた。どこかばつの悪そうな様子で。
以下略



598:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:41:15.45 ID:0AsOA6Dxo



 それから文化祭までの期間は本当にあっというまだった。
 あまりに時間の流れが速すぎて、生活したという実感が持てないくらいだった。
以下略



599:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:41:41.94 ID:0AsOA6Dxo

 文化祭の三日前、部室で配布する部誌の山を眺めてぼんやりとしている部長を見かけた。

「どうしたんですか」と俺が訊ねると、彼女はちょっと困ったように笑った。

以下略



600:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:42:12.53 ID:0AsOA6Dxo

「ときどき怖くなりませんか?」

 俺の質問に、部長はちょっと意外そうな顔をした。

以下略



601:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:42:38.90 ID:0AsOA6Dxo

「でも、通り過ぎていくものばかりじゃないよ。傍にいなくなったからってこの世からなくなるわけでもない。
 連絡先さえ知ってれば、卒業してからだって音信不通になるわけじゃない。
 留まるものもあるし、新しくやってくるものだってある。なくなるのが怖いなら、なくさないようにしっかりと掴んでおかないとね」

以下略



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