過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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606:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:45:24.01 ID:0AsOA6Dxo

 それでも妹は、「おかえり」と震えた声で返事を寄越して、顔をあげてくれた。

 どうかしたか、と訊こうとした。でも、訊いていいのか分からなかった。
 訊いて俺にどうにかできることなのか、分からなかった。自分が何かの役に立てるかさえ分からない。
以下略



607:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:45:51.92 ID:0AsOA6Dxo

「……何かが不安?」

「ちょっと違う」
 
以下略



608:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:46:19.74 ID:0AsOA6Dxo

 俺は妹のところに歩み寄って、枕に顔を埋める彼女の頭を少し撫でた。
 そんなことをしている自分に嫌気が差した。いつものような自己嫌悪が、俺の心を支配する。

 でも今は、俺の気持ちなんかより、妹をどうにか楽にさせてやりたかった。
以下略



609:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:46:46.17 ID:0AsOA6Dxo

 思わず同意の言葉が口から出そうになって、俺は必死に唇を閉ざした。
 それから、一度深呼吸をして、

「ないよ、そんなの」と、そう答えた。
以下略



610:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:47:12.65 ID:0AsOA6Dxo

「本当に大丈夫?」と俺は訊ねた。随分バカらしい言葉だと自分でも思う。

 妹はごまかすように笑った。

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611:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:47:39.43 ID:0AsOA6Dxo

「お兄ちゃんも……」

「ん?」

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612:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:48:08.47 ID:0AsOA6Dxo



 文化祭当日はそこそこ盛況だった。
 シィタ派は編入生とまわると言うし、ビィ派は部活の方で何かがあるというので、俺には一緒に回る相手のあてがなかった。
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613:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:48:36.47 ID:0AsOA6Dxo

 交代の時間になってから文芸部の前に行くと、パイプ椅子に座っていたのはまたしても枝野だった。
 俺はどうしようか迷ったけれど、話しかけないわけにもいかない。

「こういうのにはちゃんと参加してるんだな」
以下略



614:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:49:03.45 ID:0AsOA6Dxo

「何かあった?」と、彼女はそう訊ねてきた。

「まあ、いろいろあるよ」

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615:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:49:29.75 ID:0AsOA6Dxo

「それじゃあ、わたしは行くから」

「うん。楽しんで来い」

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616:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:49:56.15 ID:0AsOA6Dxo



 受付の仕事は暇だった。通りすがりに部誌をとっていく人はいるが、そもそも文芸部室は校舎の隅の方にある。
 人どおり自体が少ない。こう考えるともっと他の場所に陣取ればいいと思うのだが、毎年なぜか部室の前で配っている。
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