過去ログ - オリジナル小説【現代ファンタジー】
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13:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:28:09.28 ID:FkLb1xlW0
マートにとって目下気になるのは、スケアクロウの実力。
腰の鞘からのぞかせる刀は、それなりに立派なものに見えるが……。
死角回避の場所は用意できていないものの、獲物は見つかったのだ。やるしかない。
「ごぁぁぁぁ!!」
見つかった。というよりは見つけさせたのだ。
14:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:28:43.54 ID:FkLb1xlW0
ぶぉん。
そんな風切音を発して、キマイラの爪がマートの頬をかする。
あと一歩で、マートの片目はつぶされていただろう。
冷や汗が頬から出た血に紛れて流れ落ちる。
スケアクロウはスケアクロウで、数の多い猫サソリに苦戦している。
15:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:29:17.03 ID:FkLb1xlW0
キマイラを一時スケアクロウに押しつけ、距離を取る。
マートの目の前に、廃屋のガレキが佇んだ時、その身はキマイラの方へと翻された。
そして、マートは風の刃をキマイラの体にぶつける。
これは、殺傷を目的とするものではない。
キマイラの注意を自分に向けるためのものだ。スケアクロウとは十分に距離が離れている。
16:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:29:52.97 ID:FkLb1xlW0
合成獣には、もちろん知能がある個体もあるのだが、彼らの本能には”近くにいるものを襲え”と言う命令が深く刻まれている。
その命令に従い、猫サソリはスケアクロウの方へと向かっていった。
猫サソリ程度なら、スケアクロウでも大丈夫だろう。
肝心のキマイラはというと、ガレキの中に首を突っ込み、もがいている。
ただ、蛇の部分だけは強くマートをにらみつけていた。
17:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:30:33.45 ID:FkLb1xlW0
風の刃が一つ触れるたび、蛇の付根は確実に削られていく。
ぼたぼたと蛇の血が流れ落ちる。
それは、赤い水たまりを地面に描いた。
一段階目の終わりが近づいている。
蛇が切断されたのは、ちょうど、獅子の頭がガレキから抜け出た瞬間だった。
18:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:31:27.07 ID:FkLb1xlW0
風の刃。
さきほどから使っている、唯一マートが使える攻撃技。
シンプルだが、それゆえに強力。
動きの鈍ったキマイラの眼を、風の刃は打ち抜いた。
そして、視界を失ったキマイラの爪は、闇雲に宙を切る。
19:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:32:09.07 ID:FkLb1xlW0
結局のところ、普通の人間も、魔術士も、居場所は日常の中に回帰するのだ。
そして、マートにとっての居場所とは、メロがいる場所。
その場所を守るため、今日も戦い抜くのだ。
いつもと変わらぬ日常を守るために。
……だが、運命なるものは皮肉だ。
20:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:32:51.41 ID:FkLb1xlW0
大は小を兼ねるという言葉がある。
星すらも射程に収めた運命は、人々の生活など、容易く破壊するだろう。
だが、それらに民衆が気づくことはない。
当然だ。理解せずともその運命に挑む魔術士でさえ気づいていないのに、戦わぬ彼らが知りえるはずはないのだ。
魔術士は、戦う。
21:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:33:35.16 ID:FkLb1xlW0
ちょっとめし行ってくる。見ての通り厨二病なんだ、すまんな。
22:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:53:10.28 ID:FkLb1xlW0
マートにとっては、戦いよりも重大事なメロとのひととき、気合いも入るというものだ。
仕事の空き時間で、徹底的に訪れるスポットを調査していく。
その姿はさながら不審者だった。
何度か、警察に補導されそうになったこともあった。
だが、持ち前の体力を無駄に使っていつもその場を逃れていた。
23:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:53:46.22 ID:FkLb1xlW0
今日は、朝からメロと一緒に買い物。
前はマートが料理をしていたが、今となっては料理の腕は完全にメロに抜かれている。
そんなわけで、マートはメロの指示に従い、食材をカートに入れていく。
エラメク家の財布は、3つに分かれる。
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