過去ログ - オリジナル小説【現代ファンタジー】
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15:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:29:17.03 ID:FkLb1xlW0
 キマイラを一時スケアクロウに押しつけ、距離を取る。
 マートの目の前に、廃屋のガレキが佇んだ時、その身はキマイラの方へと翻された。
 そして、マートは風の刃をキマイラの体にぶつける。
 これは、殺傷を目的とするものではない。
 キマイラの注意を自分に向けるためのものだ。スケアクロウとは十分に距離が離れている。
以下略



16:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:29:52.97 ID:FkLb1xlW0
 合成獣には、もちろん知能がある個体もあるのだが、彼らの本能には”近くにいるものを襲え”と言う命令が深く刻まれている。
 その命令に従い、猫サソリはスケアクロウの方へと向かっていった。
 猫サソリ程度なら、スケアクロウでも大丈夫だろう。
 肝心のキマイラはというと、ガレキの中に首を突っ込み、もがいている。
 ただ、蛇の部分だけは強くマートをにらみつけていた。
以下略



17:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:30:33.45 ID:FkLb1xlW0
 風の刃が一つ触れるたび、蛇の付根は確実に削られていく。
 ぼたぼたと蛇の血が流れ落ちる。
 それは、赤い水たまりを地面に描いた。
 一段階目の終わりが近づいている。
 蛇が切断されたのは、ちょうど、獅子の頭がガレキから抜け出た瞬間だった。
以下略



18:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:31:27.07 ID:FkLb1xlW0
 風の刃。
 さきほどから使っている、唯一マートが使える攻撃技。
 シンプルだが、それゆえに強力。
 動きの鈍ったキマイラの眼を、風の刃は打ち抜いた。
 そして、視界を失ったキマイラの爪は、闇雲に宙を切る。
以下略



19:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:32:09.07 ID:FkLb1xlW0
 結局のところ、普通の人間も、魔術士も、居場所は日常の中に回帰するのだ。
 そして、マートにとっての居場所とは、メロがいる場所。
 その場所を守るため、今日も戦い抜くのだ。
 いつもと変わらぬ日常を守るために。
 ……だが、運命なるものは皮肉だ。
以下略



20:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:32:51.41 ID:FkLb1xlW0
 大は小を兼ねるという言葉がある。
 星すらも射程に収めた運命は、人々の生活など、容易く破壊するだろう。
 だが、それらに民衆が気づくことはない。
 当然だ。理解せずともその運命に挑む魔術士でさえ気づいていないのに、戦わぬ彼らが知りえるはずはないのだ。
 魔術士は、戦う。
以下略



21:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:33:35.16 ID:FkLb1xlW0
ちょっとめし行ってくる。見ての通り厨二病なんだ、すまんな。


22:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:53:10.28 ID:FkLb1xlW0
 マートにとっては、戦いよりも重大事なメロとのひととき、気合いも入るというものだ。
 仕事の空き時間で、徹底的に訪れるスポットを調査していく。
 その姿はさながら不審者だった。
 何度か、警察に補導されそうになったこともあった。
 だが、持ち前の体力を無駄に使っていつもその場を逃れていた。
以下略



23:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:53:46.22 ID:FkLb1xlW0
 今日は、朝からメロと一緒に買い物。
 前はマートが料理をしていたが、今となっては料理の腕は完全にメロに抜かれている。
 そんなわけで、マートはメロの指示に従い、食材をカートに入れていく。

 エラメク家の財布は、3つに分かれる。
以下略



24:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:54:29.19 ID:FkLb1xlW0
 ともあれ、マート三メロ二の割合で荷物持ちは落ち着いた。
 次は、昼食だ。
 マートはこのあたりのことはなにからなにまで調査済みだ。
 メロが望むところへエスコートするのは彼女にとって造作もないことなのだ。
 メロは、ラーメンが好きだ。
以下略



25:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:55:12.45 ID:FkLb1xlW0
 昼食を終えた後は、荷物を置くため、一度家に戻る。
 すでに安全なルートは調べ尽くしているため、危険はない。
 万が一、そんなことが起ころうと、マートのメロを守り抜くという意志の前では、無力だ。
 ともかく危険域をそれとなく避け、姉妹は家へと向かう。
 実は、本人たちのも知らないことだが、魔術士とその親族には監視がついている。
以下略



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