271:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/20(水) 07:13:08.94 ID:ouFSgEcY0
そして最後に、賢吾と錬に挟まれていた雪美が、ゆっくりと振り返った。
「あら、城ヶ崎くん…それに、木戸くん、朝比奈さん、鳴神さん…
随分久しぶりに会ったように感じるわね」
272:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/20(水) 07:13:35.41 ID:ouFSgEcY0
「城ヶ崎くんって頭が良いと思ってたけど…そうでもないのかしら?
どうして助けなかったかって…当たり前じゃない、これ、プログラムなんだもの。
たとえ“友達”だとしても、今は敵じゃない?」
麗を小馬鹿にした物言いにむっとし、更に雪美の“友達”という言い方から感じた言葉には表せない奇妙な違和感を憶え、もみじは憤りと気味悪さに眉を顰めた。
273:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/20(水) 07:43:20.30 ID:ouFSgEcY0
男子十番 城ヶ崎麗(じょうがさき・れい)
身長 167cm
体重 55kg
誕生日 11月11日
274:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 06:14:03.47 ID:Yq2Noa/q0
生きるとはどんなものか 僕らは其れをあまり深く考えた事は無かった。 けれども僕らは考えなければならなかった。生きることに意味がないとしても
「何で二人して倒れてんの…」
静木 青が先ず、川瀬 和生と葵 輝丹が 床で倒れている所を見つけた。
「何で輝丹まで倒れてたんだ?」と
275:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 06:14:34.74 ID:Yq2Noa/q0
僕らは色々考えて
この日を待っていたのだった。
僕らはあと少しで此処から逃げられる。
そのための準備をしなければならないのだった。
276:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 06:17:14.94 ID:Yq2Noa/q0
僕等は、認めたくなかった。 強く励ましてくれる人がもうこの世にはいないことを。 認めたくない、認められずに生きている。 でも、もう居ない
「未だ、葬式をすませないのですか?」
葵 一成が大部屋でそう、皆に言った。
だが、藍瀬 輝々は既に死亡した葵 輝丹の傍に居て離れようともしない。 木元 拓も静木 青も月下 香介も輝丹の傍に居た。 少し離れた所で甘野 大和と中居 螢太と相野 輝己が泣き崩れていた。 一方、輝丹は口元に笑みを浮かべたままだった。 どんな想いをして逝ったのか誰にも分からなかった。 輝丹にかけられている毛布の上には輝丹がいつも被っていた 帽子が、ぽとんと置かれていた。
277:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 06:17:55.80 ID:Yq2Noa/q0
ぼくらのこえ・登場人物
・鏡音所有者候補
静木青(しずき・せい)
□4/25 A型 135cm 小学五年生
278:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 06:40:07.50 ID:Yq2Noa/q0
僕等は、只、従うしかなかった。 運命には逆らえなかった。 けれど、何もせずにいられなかった。 僕等は、大人に頼ったんだ。
「おい、葵 一成とか言ったな。俺達全員の病気治してくれ」
甘野 大和は葵 一成にそう言った。
だが、一成は首を横に振るだけだった。
279:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 06:43:04.02 ID:Yq2Noa/q0
僕らは久しぶりに外の世界へ行った。 これもあの人のおかげなのかなと思うと笑えてくるんだ でも、今、大変な事態なんだと 今、気付いたんだから。 「諦めるなってのはこれのことか―?!」 月下 香介が倒れた葵 輝丹をおんぶして帰ろうと 走っていたが渋滞に巻き込まれていた。 其の隣で相野 輝己が「あはは?vv」と笑う。 其処で、柱にぶつかってしまい、痛がる中居 螢太と 其の横であきれて見ている木元 拓に会った。 だが、話し掛ける余裕もなく、そのまま、走ってしまった。 当然、拓は話し掛けようとしたが走られたため呆然と立ち尽くしていた。 「何で、あいつら、そんなに急いでいるんだ…」 「馬鹿、中居。香介、輝丹をおんぶして走ってったぞ。もしかしたら、輝丹に何かあったんじゃないのか。」 「えっ、何?!それを早く言えよ!おーい、待て香介―!」 「…目的が次々と変わるな…」 香介と輝己は「ごめん!」と謝りながら走っていた。 「輝己、輝丹どうだ?!」 「未だ目覚めてないよー、このままだと危険な状態かも…」 「畜生、どけぇ!」
静木 青と甘野 大和を見つけ、輝己が二人の首を締め付けながら走っていく。
香介が、「連れてけ」と言ったからだ。
「えっ、輝己、どうしたの?苦しいって!」 「いてえぇっ;何の真似だー!ギブギブ!」 「兎に角、早く帰ろー!こーにが危ないー」 藍瀬 輝々と葵 一成は自動自販機の前に立っていた。 喉が渇いたので一成のおごりで飲み物を購入してくれたからだ。 「貴方は死ぬ事に抵抗しないのですか?」 一成がそう訊いた。 久しぶりに飲み物を味わう輝々はこう答えた。 「そりゃ、抵抗あるよ。でも輝丹が生きていればそれでも良いんだ」 一成はそんな風に答える輝々を見てこう思った。 この子のおかげで、輝丹は此処まで成長したと思えると申し訳ないと思う。
途端、香介達が走ってくのが見えた。 其の中で輝丹が苦しそうに眠っているのが輝々の目に映った。「輝丹…!!」 輝々が駆け出し、香介達の中に混じれた。 一成は只、見守る事しか出来なかった。 「青歌。あれ、月下達じゃないか?」
280:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 06:43:38.06 ID:Yq2Noa/q0
僕達は数日経って、とうとう立ち直った。
みんなのためにも生きようと思ったからだ。
伝えたい事があって、僕等は立っている。
悲しいのを我慢しながら。
281:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 06:44:33.29 ID:Yq2Noa/q0
もうチャンスは一回しか残されていない。月下は再び静木青に電話をかけた。警戒されているようだ が、仕方ないかもしれない。美織達も、月下を見守るかのように真剣な表情を浮かべていた。できければ このまま穏やかに進んでほしいと。残酷な真実なんて今の自分達にはいらないも同然。
「さっきはいきなりごめん、名前を言うべきだったな……月下だ」
『……え?』
「……覚えてるよな、俺の弟……香介を」
もちろん、弟と静木青が仲よかったことも知っている。あの時、誰もが嘆いていた日。誰かが言っていた のだから。よく青空学園からわざわざ休日、商店街や公園に遊びに行く男子小学生集団を見かけたと。そ の内の二人が、弟と静木青。よっほど仲が良かったのだと、花屋を務めていた男性がさみしそうに呟いて いた。そんなことを思い出していると泣き声が聞こえた。静木青が泣いている。それだけでもやるせない 気持ちになった。
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