過去ログ - 死にたがりの青年と、無垢な化物狐
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135:お団子 ◆bZ4I4TB4eY[saga]
2014/05/19(月) 17:10:31.28 ID:gVMP//4S0
そう考える暇もなく、大振りに振りかぶったミノタウロスの大剣に意識を集中させる。
逡巡を放棄し、天井を破壊しつつある大剣を瓦礫に当たりつつ――、
136:お団子 ◆bZ4I4TB4eY[saga]
2014/05/19(月) 17:11:10.30 ID:gVMP//4S0
それと同時に、ミノタウロスが『倒れた』。
唐突に、バランスを崩し、僕の眼の前で、大剣に逆に振り回されたように、
137:お団子 ◆bZ4I4TB4eY[saga]
2014/05/19(月) 17:11:42.08 ID:gVMP//4S0
僕が狙うのは一つ――いや、二つか、二つだけだ。
一つは語るまでもない、首だ、ここまで舞台を用意されたのなら、終わりはそれでしかありえないだろう、
138:お団子 ◆bZ4I4TB4eY[saga]
2014/05/19(月) 17:12:17.77 ID:gVMP//4S0
狙いを定めてから、深く深呼吸する。
自分自身を落ち着けることが多すぎるような気がして、更に気分を害する。
139:お団子 ◆bZ4I4TB4eY[saga]
2014/05/19(月) 17:12:51.64 ID:gVMP//4S0
2=028
140:お団子 ◆bZ4I4TB4eY[saga]
2014/05/19(月) 17:13:49.79 ID:gVMP//4S0
――当然、怪異は僕に攻撃をする。
大剣か、それとも左腕か、または、どちらともか、
141:お団子 ◆bZ4I4TB4eY[saga]
2014/05/19(月) 17:14:33.00 ID:gVMP//4S0
「いぁ――っが……かあ゛!!」
い――痛い、痛いと、脳がそう認識しない。
142:お団子 ◆bZ4I4TB4eY[saga]
2014/05/19(月) 17:15:17.85 ID:gVMP//4S0
岩石直撃の直後、僕は狼狽えながら、後背によろめきながらも、
しかし倒れない、走ることをやめなかった、
143:お団子 ◆bZ4I4TB4eY[saga]
2014/05/19(月) 17:15:47.83 ID:gVMP//4S0
その思考の霧の海の中で、一瞬で僕は世界に引き戻される。
走り続けた僕は大剣を掻い潜り、左足太腿外側面に位置するその靭帯神経を、
144:お団子 ◆bZ4I4TB4eY[saga]
2014/05/19(月) 17:16:15.77 ID:gVMP//4S0
がし、ぎゅぅうう。
死んでいた痛覚が蘇る。
145:お団子 ◆bZ4I4TB4eY[saga]
2014/05/19(月) 17:16:48.48 ID:gVMP//4S0
その状態が約五分間続き、何かが擦り切れるような音がした。
瞬間、僕の耳元になんだかよくわからない言葉が羅列される。
146:お団子 ◆bZ4I4TB4eY[saga]
2014/05/19(月) 17:17:36.02 ID:gVMP//4S0
情けなくも、震えがまだ止まらない、
何時かのように自身で律すればまだ止まろうものの、生憎左腕は機能を失っている。
147:お団子 ◆bZ4I4TB4eY[saga]
2014/05/19(月) 17:18:42.72 ID:gVMP//4S0
2=029
「――つ、突き……?」
148:お団子 ◆bZ4I4TB4eY[saga]
2014/05/19(月) 17:19:29.08 ID:gVMP//4S0
脇腹を掠める。
それだけだった。
149:お団子 ◆bZ4I4TB4eY[saga]
2014/05/19(月) 17:20:22.05 ID:gVMP//4S0
兎も角、これが最小限だったのか、それとももっときちんと避けられたのかは定かではないが、
僕は前に進んだ。
150:お団子 ◆bZ4I4TB4eY[saga]
2014/05/19(月) 17:21:02.18 ID:gVMP//4S0
僕は緩やかに短剣を首元に移す。
その最中ミノタウロスが先程までと打って変わって全く身動ぎすらしない事に何も疑問に思わずに。
151:お団子 ◆bZ4I4TB4eY[saga]
2014/05/19(月) 17:21:52.88 ID:gVMP//4S0
2=030
最後の扉を開けて僕は最初の位置に戻ってきた。
152:お団子 ◆bZ4I4TB4eY[saga]
2014/05/19(月) 17:23:59.50 ID:gVMP//4S0
「く――フクフク」
今普通に笑おうとしていたような所を僕は何も言わなかった。
153:お団子 ◆bZ4I4TB4eY[saga]
2014/05/19(月) 17:25:24.72 ID:gVMP//4S0
続く
お疲れ様でした、最後まで見てくれた方、ありがとうございます
シリーズ的に幾つくらいかな、最低でも4つほど書ければと思います、
4つか6つか、はたまた13か、まあよくわかりませんがこの後のお話もきちんと立ててからスタートしますので、
154:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/19(月) 17:31:55.09 ID:OVAFZzaMo
おつ!続き楽しみにしてる
155:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/19(月) 17:38:55.73 ID:OIfAfgj6o
(続きはよ…続きはよ……)
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