過去ログ - モバP「見えた今に絶えぬ未来を」
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 22:59:30.46 ID:dbLyof+Po
だが、俺がわからないのはそこだ。
「翠のことを忘れた日なんて一度もない。掛け値なしにな。昨日の結果のことだって、本人も理解して切り替えてくれている」
今日の昼の会話を脳裏に映す。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 23:00:30.24 ID:dbLyof+Po
「私も翠さんも、例え欠けていようとも努力で補い進んでいく覚悟はあるわ。ただ、彼女は少し難儀な覚悟みたい。……言い方が悪いのはわかってるわ、ごめんなさい」
千秋はそう答えると、小さく謝罪してからそのまま踵を返して俺達に背を向けて去ってしまった。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 23:02:07.19 ID:dbLyof+Po
*
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 23:03:58.43 ID:dbLyof+Po
まさか、そんな事が起きるなんて。
俺は何をすればいい? どのようにすれば助けられる?
幾重にも重なる病気のような不安の波が脳内に押し寄せ、即座に頭を混乱させた。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 23:06:01.88 ID:dbLyof+Po
体内から沸騰し噴出していたはずの血液が何事もなかったかのように沈静化し、動転していた意識が元の鞘に収まってゆく。
一気に周りが見え始め、今の事態について再び考察し始めた。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 23:07:55.82 ID:dbLyof+Po
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ビルを丸々一つ全て借りて賄っている我が事務所は、全ての階にアイドルや俺たちのための設備が置かれている。
その内千秋が述べた部屋は四階でも余り使われない一番奥のレッスンルームであった。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 23:09:41.19 ID:dbLyof+Po
「全く……心臓が止まるかと思ったぞ」
「あ、あはは……すみません」
ちり、とペットボトルのラベルを鳴らしつつ翠は苦笑した。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 23:11:09.97 ID:dbLyof+Po
「頑張ろうと思って、少し練習したくなって……それで疲れてしまって、つい」
こちらから声をかけようかと思っていたある時、翠が迷っていた口を開いた。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 23:12:59.38 ID:dbLyof+Po
――あれは何だろう?
どうして返事をしようか、と彼女から視線を外すと、ふと翠の膝元に何か小さなノートが落ちていることに気づく。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 23:14:56.51 ID:dbLyof+Po
パサ。
乾いた床にノートの背が当たり、表面が滑り、擦れ、少し甲高い音が響く。
あまりに強い勢いで俺の手に飛びかかったせいで、翠のノートは俺の方に飛んできてしまう。
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