31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 18:04:09.54 ID:Gqx9SXLWo
距離感が完全に変わってしまった。
教室でこちらと目があってくすりと頬をゆるめる澪の表情が、
昨日までと全然違う意味に映った。
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2014/08/30(土) 18:06:23.00 ID:Gqx9SXLWo
あの日、進路調査票を握りしめた澪は確かに寂しいと言った。
実感したら怖くなる、
みんなと離れたくない、このままでいたい、ってそんな泣き言をもらしてた。
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2014/08/30(土) 18:08:36.40 ID:Gqx9SXLWo
お互いの部屋で澪とキスするようになってからはサイコーだった。
見つからないようにと鼓膜の神経をとがらせながら、
すべすべしたあいつの髪を指で透かして、
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2014/08/30(土) 18:10:50.39 ID:Gqx9SXLWo
私と一緒の大学を目指すことにしたらしい。
あいつはどうだと言わんばかりに身を寄せて、
髪に伸ばす手や口づけをせがんだ。
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2014/08/30(土) 18:13:03.89 ID:Gqx9SXLWo
「なあ澪、
すげえこと考えちゃった。
今からちょっと、
36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 18:15:17.50 ID:Gqx9SXLWo
そこからしばらく記憶がぐるぐる早回しになってろくに覚えちゃいない。
とにかく逃げようと思った。
通学カバンの中身を床にぶちまけて
37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 18:17:30.93 ID:Gqx9SXLWo
急行上り列車の終点 に降り立って
閉まりかけのデパートのまばゆい光 から身を隠すようにして
ロータリーに出ると
ネオンライトが 着色料まみれのガムみたいな下品な 光を放っていて
38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 18:19:44.45 ID:Gqx9SXLWo
ガストを出て
カラ館で私の膝にしがみついて薄く眠ってた澪 を起こす頃には
終電が終わっていて、
ネカフェも身分証を求められて逃げ出す始末で、
39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 18:21:57.91 ID:Gqx9SXLWo
そうだテストだ 私は大人なんだ 澪を守れる 何があっても
一緒に暮らしていくための 試験だこれに 受かれば私たち どこにでも
行ける行ってみせる だから はい はい すいません
TSUTAYAカードは持ってないです
40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 18:24:11.35 ID:Gqx9SXLWo
もう私は大人なんだ、
オトナならカノジョをカッコよくリードしないとね、って
頭の中の冗談に笑った勢いを利用して
壁に囲われた紫色のエキゾチックな入り口に逃げ込んだ。
41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 18:26:24.86 ID:Gqx9SXLWo
耳元すこし離れたとこで
澪の生温かい息が聞こえてた。
首を向ける気力も起きなくて、かわりに指の力をつっと締めた。
締め返された。
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