過去ログ - 提督「心から愛しい羽黒に捧ぐ。」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 19:09:19.46 ID:wKOPEMqDo
以前同じスレタイで立てたのですが慢心からスレがhtml化したので再度執筆しようと思います。
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 19:10:56.15 ID:wKOPEMqDo
私は横須賀に着任した。
まだ右も左もわからぬ若造の自分には艦娘たちはただの兵器という認識であった。
戦争の明暗は私にかかっている。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 19:12:34.61 ID:wKOPEMqDo
私は彼女たちを初めは兵器としか見てはいなかった。
今の私からは考えられないほど冷酷であったと思う。
神通と夕張はよく文句も言わずに私に従ったものだ。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/07(日) 19:14:10.28 ID:W+6SYGIkO
おっ
覚えにあるぞ、次は完結してくれるんだよな
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 19:17:55.26 ID:wKOPEMqDo
もちろん、当時は彼女に対しても冷酷であったはずだ。
だが、今では羽黒の泣き出しそうな笑みしか浮かんでこない。
初めて艦娘を喪い、満身創痍で撤退をさせた自分自身に腹が立っていた。
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 19:20:04.17 ID:wKOPEMqDo
>>4
ありがとうございます。今回こそはやり遂げます。
なお、私は徹底海峡イベからほとんど艦これに触れていないため今の仕様と異なることがあるやもしれません。ご容赦を願います。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 19:22:29.73 ID:wKOPEMqDo
泣きながら軍歌を歌っていると執務室の扉が控えめに叩かれた。
私は反射的にどうぞといったはずだ。そして、扉を開いた彼女に驚愕した。
「あ、えっと……ごめんなさい……」
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/07(日) 19:25:33.24 ID:wKOPEMqDo
「私を罵倒したければしたまえ。君には、君たちにはその権利がある」
「……提督は職務を全うしました。私はそう思います」
杯に残った酒を一気に飲み干して私は羽黒の瞳を見つめた。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 19:28:35.34 ID:wKOPEMqDo
じわりと視界がにじみ私は嗚咽を噛み殺した。
別に褒められたくてやっていたわけではないが、認めてくれる者がいることが何よりもうれしかった。
「……ごめんなさい、報告は後日行います」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 19:30:47.14 ID:wKOPEMqDo
私はそれ以来彼女を頻繁に執務室に呼びつけるようになった。
互いに他愛もない話をするだけの純情な交わりが私達には似合っていた。
時には文学を語らい、時には音楽を語らい、時には戦術を語らった。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/07(日) 19:32:10.77 ID:ZLcs3bzDO
期待したいがスマン、一つだけ指摘させてくれ
羽黒の呼び方は司令官さんだ
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 19:32:18.32 ID:wKOPEMqDo
抱き寄せ、抱きしめたあとは接吻と愛撫を繰り返した。
唇をなぞり、首を食み、手首に舌をはわせた。
そうして肌を重ねているうちにどちらからともなく離れてゆく。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 19:33:09.78 ID:wKOPEMqDo
>>11
やべえすっかり思い違いしてました。以降訂正します。本当に申し訳ありません
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 19:35:13.98 ID:wKOPEMqDo
鉄底海峡。
くそったれな戦場。
大本営から私に与えられた地で私は指揮をとった。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 19:39:26.69 ID:wKOPEMqDo
敵から羽黒に向けて2本の魚雷が放たれる。
当たるはずはないと――沈むはずはないと思っていた。
彼女は、羽黒なのだから。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 19:42:35.86 ID:wKOPEMqDo
夕方の執務室には虚しく軍歌が響く。
かつては羽黒と共に耳を傾けた音色が虚空に溶ける。
軍艦行進曲。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 19:46:14.46 ID:wKOPEMqDo
杯に残った酒を飲み干してその来客を見やると、我が艦隊の旗艦、霧島であった。
「あぁ、霧島か……私に何か用事でも?」
呂律のまわらない、焦点の定まらない私はかろうじてそれだけをつむぐ。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 19:49:10.53 ID:wKOPEMqDo
「私は見たんだ。雷撃の水飛沫が彼女を襲ったのを。死体は見つからなかったとはいえ、一体彼女はどこにいたというんだね?」
「命からがら逃げて、何処かの島に身を隠しているやもしれません! あの場所にはそうするだけの島があります!!」
霧島の必死な言葉に、私は喉を鳴らして笑った。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 20:08:02.16 ID:wKOPEMqDo
「私達は羽黒が轟沈したなどと思ってはいません! 彼女が生きているのなら奇跡でも偶然でもいいんです!! 栄えある『第一艦隊』の希望を笑わないでください!!」
その言葉に私はたまらず霧島の瞳を見つめた。
メガネの奥の彼女の瞳は潤んでいた。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 20:11:09.78 ID:wKOPEMqDo
「第一艦隊全艦に告ぐ! 各員対艦装備を行い鉄底海峡へ進軍せよ! なお、栄えある第一艦隊には1名の欠員の補充が必要である!!」
愛国行進曲のメロディと共に私は司令を行う。
「今回も6『人』での出撃を行う! 旗艦『霧島』以下『筑摩』! 『高雄』! 『赤城』! 『日向』! そして『赤城』」!
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 20:13:12.13 ID:wKOPEMqDo
叫ぶだけ叫んで私はマイクのスイッチを乱暴に切る。
「君が本作戦を伝えるべきだったかね?」
「いいえ、お似合いの演説でした」
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