過去ログ - 真姫「おめでとう」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/01(土) 23:47:24.63 ID:Sg9+rzdu0
地の文ありで、星空凛誕生日ss真姫ちゃん目線
祝いたいという気持ちだけ伝わって欲しい。短め

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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/01(土) 23:48:26.78 ID:Sg9+rzdu0
りんりん、とベルがなる。あと二月待てばタイムリーなその音が聞こえてくるのはすぐ後ろ、細身の二輪車から。

凛「ねーえー、真姫ちゃん真姫ちゃん」

がちゃがちゃした歯車が一杯なその自転車は、彼女曰く早く走るためには必須なアイテムが詰め込んである宝物らしいわね。けれど、今の使い道はその真逆。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/01(土) 23:49:14.21 ID:Sg9+rzdu0
そして私と同じく、そういった現状を理解している猫娘の飼い主は、そのさらに後ろからどうどうと宥めてくれる。……この表現でも大して違和感を覚えないのは、きっと二人の関係の成せるワザ、かしら。

花陽「凛ちゃん凛ちゃん、私と真姫ちゃんはあんまり速く走れないから―――ね?我慢して欲しいなあ……」

凛「むー…だって、凛は行き先も何にも知らないでずっと漕いでるんだから、ペースとか考えられないしもうヘトヘトだよー。そもそもハロウィンの次の日の夜に行く場所って何処?オバケの国?」
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/01(土) 23:50:35.99 ID:Sg9+rzdu0
確かに、長距離を漕いでいるのも、そろそろ弱音を吐きたいのも――でも、目的地まであと少しなのも事実。かれこれ三十分以上漕いでいれば、もう、車も時折しか見掛けないような、街灯すら殆ど無いような道になってしまって。
下見の時は明るかったから、速く感じた一本道も、今はどうにも長く感じるような。
もともと暗いのは苦手だし、ああ、本当にオバケの国に辿り着いたり――?なんて、じわりじわりと滲むように広がりかけた不安を破って言葉を紡いでくれるのは、花陽だった。

花陽「――そうだね、ハロウィーンの夜だし、かぼちゃのライトとかあったらそれっぽいねぇ。……オバケの国には行きたくないけれど」
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/01(土) 23:51:22.73 ID:Sg9+rzdu0
人知れずほう、と息を吐いた。からからと笑いながら凛が言っているのは、昨日、無計画もいいところで昼休みから放課後続けて行った、μ'sハロウィーンパーティーの話、でしょうね。
パンプキンランプをどう勘違いしたのか、お化け提灯を持ち死に装束で表れた海未により、危うくエリーに間違ったハロウィーンがインプットされる惨事に陥りかけたりとか、和菓子ばっかり持ってきた穂乃果のせいで部室内が緑茶の香りに包まれたりとか、また、そんな和な雰囲気に調子に乗った希が、その流れで日本の怪談話なんて始めたりして――ああ、思い出したくもない!

別の意味でぶるりと肩を震わせれば、丁度段差に乗っかったのか、ガタンとかごの中の箱が跳ねる。仲良くね、とこれを託してくれた穂乃果の顔が脳裏をよぎった。三人で仲良くね―――なんて。折角誘ったのに。なんで、断られちゃったのかなあ。


6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/01(土) 23:52:30.74 ID:Sg9+rzdu0

凛「……………ねえ、真姫ちゃん」

ふと遠く。ぼうっと、街灯でない灯りが見えた。脳内の考え事が、みんなその光りに溶けていく気分。

以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/01(土) 23:53:57.07 ID:Sg9+rzdu0
凛「ほ、本当にここどこ?ねえ、真姫ちゃんかよちん――」

キョロキョロと、辺りを見渡しながら。心細そうな声に、何かしてあげられるわけでもないから―――取り合えず大丈夫よ、と私は微笑んでみせる。

それでもなお、でも、と頼りない声で狼狽える凛に、あまり不安がられても困ってしまうしどうしたものかと毛先をいじくっていれば。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/01(土) 23:55:16.70 ID:Sg9+rzdu0
建物の看板を見れば直ぐに分かったらしい。ぽつりと呟く凛の声。

凛「ぷらねた……りうむ」

真姫「……すみませーん」
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/01(土) 23:56:05.88 ID:Sg9+rzdu0
薄暗い灯りに包まれた場内の、特等席に凛をエスコート。さっき手を繋いだ順に、普通よりも傾き気味なふかふかの椅子に腰かけ、先ずは告げてなかった一言を。

真姫「凛」

花陽「凛ちゃん」
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/01(土) 23:56:45.99 ID:Sg9+rzdu0
真姫「あ、でも――フライングで、これは渡してくれって。穂乃果から。学校に持っていくには大きすぎるからって」

花陽「私それ気になってたんだ!開けてみて凛ちゃん!」

凛「わ、何かにゃ何かにゃ?」
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/01(土) 23:57:13.29 ID:Sg9+rzdu0
真姫「………でも、穂乃果やエリーも来てくれれば………」

口に出してからしまったと思ったけれど、もう遅い。花陽が、ぽつりと相槌をくれる。

花陽「………確か、断られちゃったんだよね?」
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/01(土) 23:57:52.34 ID:Sg9+rzdu0





以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/02(日) 00:00:22.65 ID:bAwQRq8b0
「「「―――へ?」」」

こんなの―――聞いてない。

思わず揃ってぽかーんとしていると、入れ替わり立ち替わりに、色々な聞き慣れた声が聞こえてきた。
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/02(日) 00:01:16.30 ID:bAwQRq8b0

真姫「……ああ、だから一緒に来れないって……ことなのね。こんな風に、することがあったから……」

花陽「……μ'sの皆、らしいね……」

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/02(日) 00:03:53.47 ID:bAwQRq8b0
まあ、突っ込みどころ満載のナレーションによって、ロマンチックな雰囲気なんて微塵も感じられないけれど――それでも、食い入るように空に見とれる凛を眺めていれば、私と花陽の、ささやかな誕生日プレゼントはこれでよかったのかな、なんて思った。これは凛の誕生日な訳だもの。でも、次見るならば―――

凛「みんな、本当に嬉しいにゃ。ありがと―――」

『テステス―――凛!大変なの!よく考えたら――こっちには星空ガイドできる人間がいないわ!一年生三人で見てもらおうと思ってたところ悪いけど……真姫を寄越して!変わりに穂乃果を向かわせるから!―――ちょ、絵里ちゃあん!?穂乃果が何をしたっていうのさー!』
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/02(日) 00:05:24.82 ID:bAwQRq8b0
間に合わなかった、ごめん凛ちゃん。今年一年も幸せに過ごしてくれ……


17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/02(日) 04:58:19.12 ID:8iZt1aYlO
おつ


18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/02(日) 13:29:36.78 ID:2TftZZ/CO
おつおつ


19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/02(日) 21:44:30.22 ID:k4dUSNR7o

まだ他にも書くなら、一行が長くて読みにくいところがあるから900dotくらい(75文字くらい)を目安に改行すると読みやすいと思うよ


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