1:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 22:56:50.82 ID:BKFeZtv40
ラブライブss
※地の文あり
※若干性転換でもエロ無し
※まきりんぱな
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 22:57:47.56 ID:BKFeZtv40
部室には、鏡が一枚あります。
にこちゃん曰く、その鏡は入部したときからあったらしいので……きっと、学校のものなのでしょう。
全身が写るくらい大きい、光をよく跳ね返す縦長の鏡。写真を撮るときに使ったり、ダンスのふりの練習にちょこっと使ったり、ぼさぼさになった髪の毛を整えるために見たり……後はにこちゃんや、海未ちゃんは密かに隠れてだけど……鏡の前でポージングしていたり、とか。
3:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 22:59:33.54 ID:BKFeZtv40
凛「希ちゃんから聞いたんだけど―――鏡の向こうには、真反対の世界が広がってるらしいよ」
きゅっきゅっ、とリズムよく鳴っていた、布の擦れる音を止めて。真姫ちゃんは、すこうし眉にシワを寄せて凛ちゃんを見た後、はあ、と息を付きました。なんだか疲れた様子です。
真姫「まーた、希の訳のわからないオカルト話?私もうこりごりよ―――七不思議も含めて、ね。そんなのあるわけないでしょ――花陽もそんなのより、早く終わらせちゃいましょ」
4:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:00:59.54 ID:BKFeZtv40
息をつく間も無く、さっすがかよちん、分かってるにゃー!と凛ちゃんが私に抱き付いてきて、これまた何時ものようにじゃれあって――そうして、凛ちゃんは希ちゃん直伝のオカルト話を、楽しそうに話し始めたのでした。
――――曰く、鏡の向こうには『真反対』な世界があるらしい。
鏡と鏡を映すと何枚も奥に写って見えるけれど、奥の方に写った鏡は、はっきりと見ることはできないように………世界も同じ。
5:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:01:59.56 ID:BKFeZtv40
凛「―――もし、映された一番手前の世界が奥の方の世界と入れ替ったりしたら、凛たちもいろんな『鏡映しの世界』が見られるかもしれないんだって。ちょっと面白そうだよね!」
真姫「へえ、………そうなの」
花陽「鏡映しの世界、真反対の世界かあ…どんなのがあるんだろうね?」
6:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:06:01.84 ID:BKFeZtv40
真姫「……ていうか、掃除の手すっかり止まっちゃったじゃない。
まあ、これだけ掃除すれば大丈夫だとは思うけど」
花陽「すっかり綺麗になったねえ……」
7:名無しNIPPER[sage]
2015/01/04(日) 23:11:16.81 ID:BKFeZtv40
ここまでにして一期再放送見てきます
8:名無しNIPPER[sage]
2015/01/04(日) 23:24:57.04 ID:8AXsEjNw0
期待
9:名無しNIPPER[sage]
2015/01/04(日) 23:35:00.59 ID:BKFeZtv40
何度見ても真姫ちゃんの愛してるばんざーい可愛くてツラい……アイドルに生きるかよちんとつれ回される凛ちゃん可愛い……本当ラブライブやばいっすね、月曜を生きる理由をお与えくださった神に感謝してます……4話はまだか………
ちまちまと再開します
10:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:37:08.12 ID:BKFeZtv40
なにもせずに居るのも物寂しくなって、なんとなく、ぐるりと部室を見渡せば。伝伝伝やポスターなど、きらびやかなグッズに溢れかえるなかでも、今、いやに目につくのは――やっぱりさっきまでの話題の中心、鏡さんでした。
歩み寄って、そっと触れない程度に手のひらを近付けると……なんとなく涼しげな気分。向こう側から、困ったように眉を下げる冴えない自分が、じっとこちらを見つめてきます。この跳ね返った光の壁に――薄気味悪いくらい透明な世界に存在しているのは、希ちゃんの言葉を借りるならば。花陽達の「真反対の世界」……なのでしょう。
11:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:40:05.16 ID:BKFeZtv40
花陽が考えていたのは至極簡単、凛ちゃんのことです。
前々から、思っていました。凛ちゃんが女の子っぽく見られないのは――花陽が、凛ちゃんよりダメだからだって。
花陽が王子様になれないから――凛ちゃんは王子様に見られちゃっていたのだと。
幼馴染みとして二人ワンセットで数えられることも多い私達―――元気はつらつでスポーツ大好きな凛ちゃんと、内気で臆病で、折り紙が大好きな花陽。
12:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:41:09.80 ID:BKFeZtv40
そうですね。
例えば性格が真反対だったら。例えば――
13:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:42:11.24 ID:BKFeZtv40
花陽「…………へ?」
なんということでしょう、いきなり鏡がへこみました、一大事―――じゃないですかね?って、これってどうなっちゃってるのぉ!?
14:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:43:37.60 ID:BKFeZtv40
――慌てて絞り出した叫びむなしく、鏡に飲み込まれてしまいました―――え、ええー。
反射的にひっ、と声が漏れでちゃった。なにも見えない中、とにかく必死に叫びます。
きゃあああ!!!ひい!!!う、う、うわああ!!なんかつめたくて、とってもまっくらでいやだよお――真姫ちゃん、凛ちゃん―――あれ、なんか一周回って冷静になって―――いやいやいやそんなわけ無い!こわい、こわいよぉ、だれか、たすけ―――
15:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:44:08.96 ID:BKFeZtv40
…――まるで、『鏡に写したかのように』真反対な、この部室のおかしさに。
16:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:44:57.01 ID:BKFeZtv40
花陽「………………」
たっぷり三秒、固まって。振り替えれば鏡がそこに。無言で手のひらを押し付けてみるけれど――柔らかくなるどころか、びくともしません。どうしましょう。どうしたことでしょう、どうすれば――いいんだろう。脳味噌はぐるぐる頭のなかでミキサー並に回った後、ついにそのお仕事を放棄し始めちゃったので、今の花陽はぼーっとすることしか出来なくなっちゃいました。近くにあったパイプ椅子。よろめくように腰を落としました。どこからか夕日が差し込んできました。窓からに決まってますね。
17:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:45:57.90 ID:BKFeZtv40
………………。
18:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:47:47.68 ID:BKFeZtv40
?「よ――。……………」
どうも耳に馴染みのあるように思えた、ハスキーな低音。扉の向こうにいた人影は、こちらを見て――その瞳をまあるく見開きました。どうにも花陽にはその人が男の子に――同い年くらいの背の高い、制服を着た青年に見えました。
青年?いやいや、音ノ木坂は女子校、それは教職員を除きいるはずのない存在です。
ならば目の前に居るのは不審者でしょうか?
19:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:47:54.03 ID:U4iqd+Ij0
ヘヴンワロタ
20:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:48:41.90 ID:BKFeZtv40
そうしててくてくと響く足音に気付いた時には、新しい小柄な人影がひょっこり、扉横から顔を覗かせていました。アルトを少し高音に近付けたような、これまたどうしたことか馴染みのある気のした、明るい声。
?「マーキ君、扉前なんかで立ち止まって、どうしたんだにゃ……………お、女の子っ!?
マキ君それは犯罪だぜ!?」
21:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:50:07.63 ID:BKFeZtv40
花陽「…あの……えっ、と、お二人は、―――ええと、星空凛と西木野真姫………って、名前に………心当たりは」
?「にゃ?リンはリン、ホシゾラリンだよ!」
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