3:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:09:09.12 ID:N1fLZgZO0
――時間は巻き戻り、2月22日、朝、キョート市内ホテル。ニンジャデイと指定されたこの日に向けて日本各地のニンジャ
イベントや営業に飛び回っていたアヤメは、いよいよ本番当日を迎えて緊張の面持ちを浮かべていた。
「だ、大丈夫でしょうか……これほどの大掛かりなイベントを、わたくしが主役を任せて頂いて」
4:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:09:40.22 ID:N1fLZgZO0
そこへ、ビュッフェの料理を選びに行っていたヨリタ・ヨシノも戻ってくる。彼女もまたアヤメと同じくタケウチPに
プロデュースされている少女の一人であり、今日のイベントにおいてはアヤメのサポートメンバーとして共に仕事を
しに来ていた。
5:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:10:33.53 ID:N1fLZgZO0
(なんでしょう、この嫌な感じは)
このホテルの警備は万全であり、なにかの事件に巻き込まれる可能性も低い。にも関わらずアヤメのニンジャ第六感は
先程から重点警戒するように危機感を訴えていた。そして彼女の感じる危機感と同様の物をタケウチPも感じていたために、
6:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:11:12.58 ID:N1fLZgZO0
「そんな、ここはセキュリティは万全だと! それなのにどうやって……!」
なによりアヤメとタケウチPの二人、そしてチヒロの監視を逃れてヒトミを捉えるなど人間技とは考えられない。
……人間技では不可能? では、まさか。
7:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:11:54.29 ID:N1fLZgZO0
「アヤメーいけませぬー。どうやらその方はー」
ここで異様なアトモスフィアの原因に気づいたヨシノがアヤメから男を引き離そうとするが時すでに遅く、突然目に
正気が戻った男がアヤメの剣幕に悲鳴を上げた。
8:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:12:25.37 ID:N1fLZgZO0
『ザリザリザリ……ドーモ、ちゃんと映っているか?』
再生され始めた動画に最初にエントリーしたのは、紫色に白のラインが入った装束の人物。顔は「貿易」と刻まれた
フルフェイスメンポによって眼の部分しか露出しないように隠されており、映像からこの人物個人のことを特定するのは
9:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:13:12.53 ID:N1fLZgZO0
映しだされたヒトミの表情は、先ほど小型UNIXモニタを渡してきた男と同じく視線が定まっておらず、いつも彼女が
見せている明るさはどこにもない。その姿はジョルリ人形めいていており、その豊満な胸のかすかな動きが、ヒトミが
まだ息をして生きている僅かな証であった。
10:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:13:56.63 ID:N1fLZgZO0
「ちなみに、このような脅迫を行う可能性のある企業や個人の目星は」
「いくつか候補は。聞きますか?」
11:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:14:37.07 ID:N1fLZgZO0
BANG! 動画はそこで途切れ、小型UNIX端末も小さな爆発を起こして壊れてしまった。あまりにも短い制限時間に厳しい
条件。これをアヤメ一人に背負わせてしまわねばならない自分の不甲斐なさに、タケウチPは頭を下げる。
「申し訳ありません。自分の注意が足りないばかりに、このような事態を……!」
12:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:15:15.91 ID:N1fLZgZO0
普段アヤメが見せているのはアイドルとして、そしてカトゥーンめいた存在としてのニンジャであり、それならば
一般市民にニンジャリアリティショックを引き起こすことはない。だが敵ニンジャの用意したクエストを攻略すると
なればそんな甘い姿を見せ続けるわけにはいかず、どこかで本物のニンジャとしての姿を見せなくてはならぬだろう。
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