過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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704
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◆PupFZ5BZvyzZ
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2016/02/03(水) 22:32:49.06 ID:H+PnEL/o0
#2
「……スウウーッ……フシュウーッ……」
以下略
705
:
◆PupFZ5BZvyzZ
[sage saga]
2016/02/03(水) 22:34:36.86 ID:12lMyB4a0
例えるならドアやハシゴが設けられ、しかし同時に電流鉄条網やタケヤリ罠が仕掛けられた、越えるは容易いが致命的事態を招きかねない壁だ。
そうしたデリケート問題を解決するにあたり、獣人でありながら人間の荒くれヒーロー達と接し続けてきたシロクマPの知見は大きな武器となるのだ。
「『新年早々に猛獣の咆吼』『ケンカ? 一時期頻繁』『都会的でないニオイ』『ヒノワ・ストリート』『最近サル族が増えた気がする』……この辺りが臭うな」
以下略
706
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◆PupFZ5BZvyzZ
[sage saga]
2016/02/03(水) 22:37:21.78 ID:OdbudYhc0
聞き慣れぬ声。黒衣Pは目を開いた。裸身にバスタオル一枚を巻いただけの見知らぬ女がデスクトップ情報端末に両手をかけ、身を乗り出していた。
後ろで一つに纏めたさほど長くない髪はオーカー色。その顔を注意深く見れば、産毛めいてうっすらと生えた毛が光を反射していることに気付くだろう。
視線を下げていけば、同様の薄毛は胸元や腕にも認められる。それら体毛の分布から、おそらくは何らかのサル種の獣人であると推測できた。
以下略
707
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◆PupFZ5BZvyzZ
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2016/02/03(水) 22:39:14.21 ID:OdbudYhc0
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
事務所の一画、金のタテガミを持つ黒いライオンが描かれた衝立に仕切られた応接スペースは、にわかに人口密度を増していた。
天然木材と職人手製ガラスで構成された応接机の上には、シロクマPより受け取った資料の中から選りすぐられた特に重要そうな20枚。
机を挟んで向き合うソファのうち、玄関に背を向ける方に半ば飲み込まれるように座り、イツキは微妙な居心地の悪さを味わっていた。
以下略
708
:
◆PupFZ5BZvyzZ
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2016/02/03(水) 22:40:56.04 ID:H+PnEL/o0
「エボニーレオは引退した。今から一年ほど前だ。奴はもう誰の力にもなれない」
獣人の瞳に失望の影が差した。だが彼女は首を横に振ってそれを払いのけると、決然たる眼差しを黒衣Pに向けた。
以下略
709
:
◆PupFZ5BZvyzZ
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2016/02/03(水) 22:42:52.30 ID:OdbudYhc0
……ふと、イツキは手の甲に熱を感じた。いつの間にか重ねられた洋子の手から伝わる体温だ。静かに深呼吸し、顔を上げた。黒衣Pの声。
「と言っても、この件は被害者が揃いも揃って住民タグ無し。要するに、ネオトーキョーに……いや、人間界に存在しない連中ッてことだ」
以下略
710
:
◆PupFZ5BZvyzZ
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2016/02/03(水) 22:44:31.79 ID:H+PnEL/o0
「現状、サイボーグ体を確認できていないのはヘビ獣人だけだ。ソイツを見つけ出してマークする。王子は絶対に現れる」
「ヘビ族のヤミヅチは狡猾で慎重な男です。王子と真っ向やり合わない限り、まず死ぬことはないでしょうね」
以下略
711
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◆PupFZ5BZvyzZ
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2016/02/03(水) 22:46:35.62 ID:12lMyB4a0
ヒノワ・ストリートは常人の三倍の脚力を持ってしても遠い。『二代目』の喪失がこうも響くことになるとは。
黒衣Pにはさらに懸念がある。オルトロスがヘビ獣人のみならず王子をも確保するつもりであるとして、その手段とは? 考え得る答えは一つだ。
オルトロスに与する獣人は、サル獣人以外にもいる。ヘビ獣人と戦い消耗した王子を倒す程度には強く、改造素体にされない程度の上役が。
以下略
712
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◆PupFZ5BZvyzZ
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2016/02/03(水) 22:48:39.54 ID:12lMyB4a0
#3
暗黒経済都市ネオトーキョー。煌びやかで喧しいメインストリートから一歩脇道に逸れれば、そこは闇と湿度と静寂が支配する裏通りだ。
ヒノワ・ストリートもそうした退廃通りの一つで、軽自動車が辛うじてすれ違える程度に狭い道を挟んでシャッター閉鎖店舗が並ぶ。
以下略
713
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◆PupFZ5BZvyzZ
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2016/02/03(水) 22:50:56.31 ID:OdbudYhc0
ヤミヅチを仕留めたのはシャキョウ自身だ。それだけではない。六戦士すべて、彼が殺した。そのためにアサミ=ロイが欠かせぬ役割を果たした。
アサミ=ロイは王子をネオトーキョーに呼び、獣人界の危機を知らせた。同時に六戦士をネオトーキョーに誘き寄せ、王子との戦いの場を整えた。
王子は逆賊を討ち果たし、あとは獣人界に凱旋して王位を継ぐのみ。王子はアサミ=ロイに名誉ある地位を与えようとしたが、彼は無欲じみて辞退した。
以下略
714
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◆PupFZ5BZvyzZ
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2016/02/03(水) 22:52:46.01 ID:12lMyB4a0
ライオン獣人の第六感は、眼前で膨れ上がる殺気を悪霊のシルエットとして知覚した。
白髪白ヒゲの獣人はジャケットを脱ぎ捨て、シャツの袖を引きちぎり、剥き出しのダイコンめいた腕からストレートパンチを放つ態勢に入っていた。
「何をッ……ゴアアオオオオーッ!」
以下略
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