過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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708: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:40:56.04 ID:H+PnEL/o0

「エボニーレオは引退した。今から一年ほど前だ。奴はもう誰の力にもなれない」

 獣人の瞳に失望の影が差した。だが彼女は首を横に振ってそれを払いのけると、決然たる眼差しを黒衣Pに向けた。

以下略



709: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:42:52.30 ID:OdbudYhc0

 ……ふと、イツキは手の甲に熱を感じた。いつの間にか重ねられた洋子の手から伝わる体温だ。静かに深呼吸し、顔を上げた。黒衣Pの声。

「と言っても、この件は被害者が揃いも揃って住民タグ無し。要するに、ネオトーキョーに……いや、人間界に存在しない連中ッてことだ」

以下略



710: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:44:31.79 ID:H+PnEL/o0

「現状、サイボーグ体を確認できていないのはヘビ獣人だけだ。ソイツを見つけ出してマークする。王子は絶対に現れる」

「ヘビ族のヤミヅチは狡猾で慎重な男です。王子と真っ向やり合わない限り、まず死ぬことはないでしょうね」

以下略



711: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:46:35.62 ID:12lMyB4a0

 ヒノワ・ストリートは常人の三倍の脚力を持ってしても遠い。『二代目』の喪失がこうも響くことになるとは。
 黒衣Pにはさらに懸念がある。オルトロスがヘビ獣人のみならず王子をも確保するつもりであるとして、その手段とは? 考え得る答えは一つだ。
 オルトロスに与する獣人は、サル獣人以外にもいる。ヘビ獣人と戦い消耗した王子を倒す程度には強く、改造素体にされない程度の上役が。

以下略



712: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:48:39.54 ID:12lMyB4a0

#3

 暗黒経済都市ネオトーキョー。煌びやかで喧しいメインストリートから一歩脇道に逸れれば、そこは闇と湿度と静寂が支配する裏通りだ。
 ヒノワ・ストリートもそうした退廃通りの一つで、軽自動車が辛うじてすれ違える程度に狭い道を挟んでシャッター閉鎖店舗が並ぶ。
以下略



713: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:50:56.31 ID:OdbudYhc0

 ヤミヅチを仕留めたのはシャキョウ自身だ。それだけではない。六戦士すべて、彼が殺した。そのためにアサミ=ロイが欠かせぬ役割を果たした。
 アサミ=ロイは王子をネオトーキョーに呼び、獣人界の危機を知らせた。同時に六戦士をネオトーキョーに誘き寄せ、王子との戦いの場を整えた。
 王子は逆賊を討ち果たし、あとは獣人界に凱旋して王位を継ぐのみ。王子はアサミ=ロイに名誉ある地位を与えようとしたが、彼は無欲じみて辞退した。

以下略



714: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:52:46.01 ID:12lMyB4a0

 ライオン獣人の第六感は、眼前で膨れ上がる殺気を悪霊のシルエットとして知覚した。
 白髪白ヒゲの獣人はジャケットを脱ぎ捨て、シャツの袖を引きちぎり、剥き出しのダイコンめいた腕からストレートパンチを放つ態勢に入っていた。

「何をッ……ゴアアオオオオーッ!」
以下略



715: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:54:37.98 ID:12lMyB4a0

「だが、獣人界にいる限り、この腕のせいで私の力は認められることがなかった。呪わしい何かと見なされ、王位継承の決闘すらも許されず」

「獣人界を恨み、憎んでいるのか!? 僕が帰らなければ戦乱は止まらず、滅びるまで続くと!? 僕に六戦士を殺させたのも!」

以下略



716: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:57:41.97 ID:H+PnEL/o0

 ヌエ獣人は無邪気に笑った。シャキョウは今や己を待つ運命を理解していた。胸を踏み押さえる脚から逃れようともがくが、抵抗する力はなかった。

「本命は君だった。これまでの改造獣人で集めたデータは全て君のためのものだ。陸海空を統べる、真の意味での百獣の王となりたくはないか?」

以下略



717: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:59:59.86 ID:12lMyB4a0

「プリミティヴ・バーニングダンサーです。迷惑な企み、ここで終わらせるよ!」

「アイドルヒーロー……嗅ぎつけおったか。だが、キキイーッ!」

以下略



718: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 23:01:53.66 ID:H+PnEL/o0

 ヌエ獣人の拳がバーニングダンサーの胸の中心を捉え、軽く突いた。一呼吸の後、踊り子の胸と背が爆ぜ、彼女は血肉を撒き散らしながら吹き飛んだ。
 間髪を入れず、ヌエ獣人は再びイツキに牽制の金ボタン投射。だが、ボタン弾は空中で炎に包まれ、灰と化した。

「……なんと。これで死なぬか」
以下略



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