過去ログ - オリss注意 うちゅうおおかみ 
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/10(日) 02:28:28.93 ID:LDSt2pnJ0
5月10日

閑静な住宅街を一人の男がキャリアバッグを引きずり、歩いていた。

時刻は深夜二時、彼がふぬけた微笑を浮かべていることに気付く者はいない。

幾度か、歯音が鳴るほど顔に力を込めて、引き締めたが、数秒後には元に戻った。

まあ良いのだ、今日ぐらいは。

男は足取りを速める。

なにせ、3か月ぶりの我が家である。

待っている家族なんてものはいないが、それでもやはり嬉しいものがある。

同僚との窮屈な官舎暮らしなんてものは、もうこりごりだ。

あいつとは比較的馬は合ったが、毎日顔をあわせれば、飽きても来る。

最期らへんは見るだけで吐き気を催した。

それに比べて、ここはなんと新鮮なことか。

周りを見ても、人の顔はどこにもなく、とても静かで癒される。

これこそ、自由だ。

ゆっくりと男は夜空を見上げた。

つまるところ、この男は孤独を渇望していたのである。


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2:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/10(日) 02:33:25.16 ID:LDSt2pnJ0
ようやく玄関の前に立って、男の表情はさっと曇った。

せっかく受け取り拒否の張り紙を扉に張ったというのに、なんということをするのだ。

郵便受けの口に、はち切れんばかりの大量のチラシや封筒がはさまっていたのである。
以下略



3:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/10(日) 02:34:57.69 ID:LDSt2pnJ0
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もそもそ、こんにちはです。

わたしはうちゅうおおかみ

以下略



4:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/10(日) 02:38:34.42 ID:LDSt2pnJ0
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もそもそ,こんばんはです

てがみみてないみたいだから

以下略



5:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/10(日) 02:42:15.90 ID:LDSt2pnJ0
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もそもそ

なんでいないですか

以下略



6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/10(日) 02:46:29.99 ID:LDSt2pnJ0
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もそもそ


以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/10(日) 02:50:09.48 ID:LDSt2pnJ0
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もそもそ

以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/10(日) 02:57:28.58 ID:LDSt2pnJ0
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もそもそ

しごとおわんないなら
以下略



9:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/10(日) 02:59:47.97 ID:LDSt2pnJ0
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もそもそ

バカ!
以下略



10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/10(日) 03:05:17.72 ID:LDSt2pnJ0
男には言いたいことが沢山あった。

手紙は何枚もつなげるものじゃないだとか

言葉の使い方を間違えていることだとか
以下略



11:名無しNIPPER[sage]
2015/05/10(日) 08:42:03.82 ID:s+WXt5TAO
なんだか気になる
ホラーかな?


12:名無しNIPPER[sage]
2015/05/10(日) 10:08:04.53 ID:VltVY9GIo
面白い
期待


13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/10(日) 14:14:16.59 ID:LDSt2pnJ0
5月11日

男は、自宅から電車で一時間ほどの距離にある会社に向かった。

久々の通勤ラッシュだが、それほど苦にしている様子はない。
以下略



14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/10(日) 14:48:12.57 ID:LDSt2pnJ0
本当にこの子は心臓に悪い。

そして、男はこの声の持ち主へと、ぎごちなく向き直った。

彼女はあどけなさが残っている可愛らしい顔立ちである。
以下略



15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/10(日) 14:59:11.05 ID:LDSt2pnJ0
その様子は蛇が草むらをかき分けてくるのに似ていた。

するり、するり

その滑らかで静かな動きは、混雑を潜り抜けてきた経験からくるものだろう。
以下略



16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/10(日) 15:42:32.35 ID:LDSt2pnJ0
だが、彼女の悪戯っぽい目の輝きに気づけば、男は仏頂面にならざるをおえない。

思い出したのだ、ここで喜べば、女社員の間で噂話にされることを。

なぜこの男が知っているかというと、彼女が幾度となくそれとよく似た話を男にしたのだ。
以下略



17:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/10(日) 16:40:31.41 ID:LDSt2pnJ0

それ以来、彼は彼女の甘言を信用しないように振る舞った。

彼女と時折出会う朝は、友情代わりに繰り出されるシャブをひらり、ひらりと躱しながら

以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2015/05/10(日) 16:45:20.46 ID:LDSt2pnJ0
ようやく、彼らは会社へと到着した。

記憶をたどるように、通路を進んでいくと見知った部屋が見えた。

と、その扉の前に女性が、腕を組んで不満たらたらに男たちを睨んでいた。
以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2015/05/11(月) 12:42:51.18 ID:sr/n3AUZ0
その日一日、男は極めて謙虚に仕事を進めることにした。

黙々とキーボードを叩き、完成すれば、アウトプット。

上司に提出して、次にとりかかり、その日のノルマが終わっても、手を緩めず進める。
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2015/05/11(月) 18:11:32.00 ID:sr/n3AUZ0
5月11日23時30分

男は同僚たちとの型どおりの別れを告げ

勤務時間の定刻と同時に、ひとりで、会社を出発した。
以下略



21:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/11(月) 18:16:29.35 ID:sr/n3AUZ0
目いっぱいに広がった黒い布の上に

大小さまざまな鉱石が無数に散らばる様が。

時には小石が転がって布の端まで行ったり、時には赤いものまである。
以下略



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