過去ログ - オリss注意 うちゅうおおかみ 
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16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/10(日) 15:42:32.35 ID:LDSt2pnJ0
だが、彼女の悪戯っぽい目の輝きに気づけば、男は仏頂面にならざるをおえない。

思い出したのだ、ここで喜べば、女社員の間で噂話にされることを。

なぜこの男が知っているかというと、彼女が幾度となくそれとよく似た話を男にしたのだ。
以下略



17:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/10(日) 16:40:31.41 ID:LDSt2pnJ0

それ以来、彼は彼女の甘言を信用しないように振る舞った。

彼女と時折出会う朝は、友情代わりに繰り出されるシャブをひらり、ひらりと躱しながら

以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2015/05/10(日) 16:45:20.46 ID:LDSt2pnJ0
ようやく、彼らは会社へと到着した。

記憶をたどるように、通路を進んでいくと見知った部屋が見えた。

と、その扉の前に女性が、腕を組んで不満たらたらに男たちを睨んでいた。
以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2015/05/11(月) 12:42:51.18 ID:sr/n3AUZ0
その日一日、男は極めて謙虚に仕事を進めることにした。

黙々とキーボードを叩き、完成すれば、アウトプット。

上司に提出して、次にとりかかり、その日のノルマが終わっても、手を緩めず進める。
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2015/05/11(月) 18:11:32.00 ID:sr/n3AUZ0
5月11日23時30分

男は同僚たちとの型どおりの別れを告げ

勤務時間の定刻と同時に、ひとりで、会社を出発した。
以下略



21:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/11(月) 18:16:29.35 ID:sr/n3AUZ0
目いっぱいに広がった黒い布の上に

大小さまざまな鉱石が無数に散らばる様が。

時には小石が転がって布の端まで行ったり、時には赤いものまである。
以下略



22:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/11(月) 18:25:15.56 ID:sr/n3AUZ0
「なくな、バカ」

会社で会った『おおかみさん』の声だと気づくまでに、数秒。

男が驚いて起き上ると、一匹の狼が公園の入り口に立っていた。
以下略



23:名無しNIPPER[saga]
2015/05/11(月) 18:28:41.49 ID:sr/n3AUZ0
ゆっくりと『おおかみさん』は言った。

「なくな、わたしがあんたをかんでやる」

男の返事も待たず、静かに、しなやかに『おおかみさん』は近づいてきた。
以下略



24:名無しNIPPER[saga]
2015/05/11(月) 18:41:06.74 ID:sr/n3AUZ0
跳ね除けようとした手を、『おおかみさん』は噛もうとした。

でも、急に彼女は、横へと突き飛ばされた。

草むらから飛び出した、もう一頭の狼が突き飛ばしたからだ。
以下略



25:名無しNIPPER[saga]
2015/05/11(月) 19:22:43.09 ID:sr/n3AUZ0
『おおかみさん』は男が見えなくなると、動きを止めた。

私もそれに倣うと、『おおかみさん』は呆れた口調で言った。

「もういい、かまない」
以下略



26:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/11(月) 20:08:56.71 ID:sr/n3AUZ0
かまれると、うちゅうおおかみになる。

それは人間でなくなるわけではないと思っている。

人の形態をとれば、人であるし、狼の形態をとっても、少しは馬鹿にはなるが
以下略



27:名無しNIPPER[sage]
2015/05/12(火) 02:28:12.72 ID:kVgxF5Tw0
>>1です
ごめんなさい
作中の男が泣いた理由は、彼しか知るものがいないという優越感と、伝える相手がいない虚しさからです
虚栄心の意味を間違えてました、反省


28:名無しNIPPER[saga]
2015/05/16(土) 02:14:53.18 ID:ktooz+fw0
男は息を切らせて、人気のない道を走った。

彼の怠けきった肉体は、すぐに悲鳴を上げた。

血中の酸素不足によって、頭にうすもやがかかる。
以下略



29:名無しNIPPER[sage]
2015/05/16(土) 06:37:28.81 ID:PkOJo6SBO
面白そう

期待


30:名無しNIPPER[sage]
2015/05/16(土) 22:55:54.13 ID:ktooz+fw0
5月12日 12時00分

会社の屋上に座っていた『おおかみさん』(以降おおかみと呼ぶ)は勢いよく、牛乳パックにストローを突き刺した。

ストローを口に咥え、静かに彼女は思案に埋没し始める。
以下略



31:名無しNIPPER[saga]
2015/05/16(土) 23:01:19.76 ID:ktooz+fw0
また、この反応は宇佐義から聞いた男の話と一致していた。

あいつは、人と関わろうとしない。

他人のテリトリーに踏み込まず、ただ自分のテリトリーで縮こまっている。
以下略



32:名無しNIPPER[saga]
2015/05/17(日) 01:59:12.70 ID:CdihKtFN0
公園での彼は幾らか人間味があったし、泣くということは感情の発露だ。

突破口があるとすれば、それだ。

昨晩のことをつついてやる。
以下略



33:名無しNIPPER[saga]
2015/05/17(日) 02:37:19.22 ID:CdihKtFN0
会社の屋上で、おおかみは牛乳をすべて飲み乾した。

空になった牛乳パックは畳んで、ゴミ箱へ。

ふと、あの男へぶつけてやろうかと思い、周りを見渡すも
以下略



34:名無しNIPPER[saga]
2015/05/17(日) 02:41:15.56 ID:CdihKtFN0
目の前の人間に対するお世辞と

その場にいない人間への嘲りが

上品に含まれた会話には反吐がでた。
以下略



35:名無しNIPPER[sage]
2015/05/22(金) 03:54:05.68 ID:hipFk0U20
おつ


36:名無しNIPPER[sage]
2015/06/16(火) 21:00:30.07 ID:Z9NZFUUco
待ってる、待ってるぞー!


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