5:1 ◆oNDhRi.Qoo[saga]
2015/05/27(水) 03:10:07.21 ID:onT9fHc40
目の前の信じがたい現実を、飲み込めないでいる。
そうやって考えていく内に、これまた信じがたい仮定だが、それでも先の案よりは現実的な答えが浮かんだ。
6:1 ◆oNDhRi.Qoo[saga]
2015/05/27(水) 03:11:02.63 ID:onT9fHc40
ーーーーー
俺が見た夢では、あの酒場で、ある男と出会った。
最初はその男の性格について行けず、共に旅する事をやめようと思った。
7:1 ◆oNDhRi.Qoo[saga]
2015/05/27(水) 03:12:04.25 ID:onT9fHc40
やめろ、やめてくれ。
夢を、夢でいさせてくれ。
だから、目の前で、そうやって、ヘラヘラと笑いながら、現れないで、ヘラヘラと話しかけないでくれ。
8:1 ◆oNDhRi.Qoo[saga]
2015/05/27(水) 03:12:49.59 ID:onT9fHc40
〜〜〜〜〜
『ッ!!オイ、お前もう……』
『大丈夫だっつんてんだろ……仲間信じろ馬鹿……お前こそ、なんだか苦しそうだけど大丈夫か?』
9:1 ◆oNDhRi.Qoo[saga]
2015/05/27(水) 03:13:27.98 ID:onT9fHc40
ーーーーー
「で、落ち着いたか?」
「あぁ……すまなかったな。世話をかけて」
10:1 ◆oNDhRi.Qoo[saga]
2015/05/27(水) 03:14:03.92 ID:onT9fHc40
……分かっている。それでも、それを、結論として認めたくないのだ。
それを認めてしまえば、楽になれるのも、あの悲劇を免れる事が出来るかもしれないのも。
あの俺が、そう思ったように。
11:1 ◆oNDhRi.Qoo[saga]
2015/05/27(水) 03:14:46.67 ID:onT9fHc40
「自分で言うのもなんだが、腕には自信があるぜ」
知っている。剣術では剣士には敵わなかった。
最後の、あの時まで。
12:1 ◆oNDhRi.Qoo[saga]
2015/05/27(水) 03:15:32.26 ID:onT9fHc40
「きっと、俺には想像もつかないような、信じがたい何かに悩んでんだろう。それが、きっと仲間を作る事を拒ませる。だから、お前はあの酒場を一人で出た……どうだ?」
「…………凄いな」
13:1 ◆oNDhRi.Qoo
2015/05/27(水) 03:16:11.50 ID:onT9fHc40
自慢気に長広舌をふるう剣士が、手に持つ木の枝の先をを、俺に向ける。
「勇者は、いつか来るかもしれない魔王の魔の手に怯えて生き長らえるか?」
14:1 ◆oNDhRi.Qoo
2015/05/27(水) 03:16:45.28 ID:onT9fHc40
「……もしかしたら、こういう運命なのかもしれないな」
「はい?」
「俺がどう足掻こうと、お前は俺の目の前に現れて、こうして、俺はお前と手を結ぶ。どうあっても、そうなるって決まってるのかもしれないな」
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