627: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/26(土) 22:34:50.24 ID:rpLvuEADO
ライの質問はカレンを大いに刺激し、不機嫌にさせた。ついに彼女の瞳からは感情が失われ、無表情のまま見つめられる。
「別に怒ってないけど」
628: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/26(土) 22:36:56.00 ID:rpLvuEADO
「いくぞ。まずは──」
「や、やめて」
629: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/26(土) 22:39:17.93 ID:rpLvuEADO
カレンはしばしの間、ライへ恨めしげな視線を送っていたが、やがて諦めたように息を吐き出し、生徒会室の方へ足を向ける。
見れば、無数の生徒が二人のいる中庭を見下ろしていた。なかなかの大声を(カレンが)発していたので、注目を集めてしまったようだ。
630: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/26(土) 22:40:37.40 ID:rpLvuEADO
「あなたもやっぱり、シャーリーみたいな明るい娘が良い?」
「明るい……そうだな。彼女の笑顔は周囲に力を与えてくれる。そういった意味では好きなんだろうな」
631: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/26(土) 22:41:37.52 ID:rpLvuEADO
「見捨てた……とはどういう意味だ」
ライは棚から書類を取り出し、それを机の上に並べながら尋ねた。
632: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/26(土) 22:42:52.80 ID:rpLvuEADO
男子生徒達が信仰対象に危害を加える可能性は低いだろう。それに、カレンの友人や教師連中が騒動を鎮圧させようとしていたのもある。
「あの場面で僕が介入していれば、状況はよりややこしくなっただろう」
633: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/26(土) 22:45:04.73 ID:rpLvuEADO
(なんだ、簡単じゃないか)
見事な結論が出たことに安堵したライは仕事に専念した。はかどって仕方がない。カレンが怒っている理由は何一つ判明せず、また解決もされていなかったが、それらは一時的に置いておこうと思った。
634: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/26(土) 22:46:01.87 ID:rpLvuEADO
「言うことも聞くし、ちゃんとご飯も食べるし、変なこと言わないし……あと黒いし」
撫でられているアーサーは彼女の膝の上で丸くなりながらごろごろと喉を鳴らしている。カレンの方も笑みを浮かべて瞑目していた。お互いに上機嫌のようだ。
635: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/26(土) 22:47:22.91 ID:rpLvuEADO
「ん……どうした」
「それは私が聞いてるの。急に呆けちゃって……何かあった?」
636: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/26(土) 22:48:36.23 ID:rpLvuEADO
「そうね。こういう時間って貴重かも」
言うと、アーサーをソファーに寝かせ、カレンがやってくる。椅子に腰掛けてから、彼女が担当している書類を広げた。
637: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/26(土) 22:49:50.51 ID:rpLvuEADO
「いつもあなたに任せているんだから、こういう時はちゃんとやります。たまには自分の仕事だけでいいじゃない……ていうか、それ嫌味?」
「だが、もうほとんど片付けてしまった」
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