過去ログ - 八幡「真のぼっち」
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22:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 13:58:48.43 ID:KKdbAala0
「いや、そうじゃない。……とも言えないな、考えた結果あっさりと試合放棄だ。まず見た感じここが運動部だという事はないだろう。道具が無い。それで行くと道具を必要とするような部活も無い。理科クラブみたいな部だったら部室も理科室辺りになるだろうからその辺もない。軽音楽、吹奏楽共に場所が違う。書道部だとしても作品がないし美術部でもない。文芸部にしては本が無造作に置かれているだけというのはおかしい、よって文芸部もなし。カードゲーム、ボードゲームの類という可能性。しかしこれらは一人では出来ない、部活が始まっているこの時間に部室に一人きりという事は他に部員が居る可能性も低いのでこれも除外。うちにはUFO呼んだりするような部はなかった筈だからここまで当たりがないならもうお手上げだ」

 注意深く生活している人間なら、昨年度末の生徒集会で報告された収支報告か何かから、うちの高校に存在する部をリストアップして照会していけるのかもしれないが、そこまで高性能な頭脳は持っていない。
これだけ可能性を列挙できるだけでも俺にしては頑張った方だろう。
そもそも部活に興味が無かった俺は、この高校にどんな部活が存在するのかも殆ど把握してないから。
以下略



23:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 13:59:34.61 ID:KKdbAala0
 勝手にゲームの続行を決め、挑発的な笑顔を浮かべる少女を見る。
これが少女の優しさだというなら、この少女相当にイイ性格をしている。
まどろっこしいやり取りはスルーしてさっさと正解を聞きたいというのが正直な俺の気持ちだが、もしもこれに付き合わなかったら……といい加減しつこいか。

 あー、ここでこうしている事が活動内容ね。
以下略



24:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 14:00:30.81 ID:KKdbAala0
「可愛いというただそれだけで仕事になるというのは分かる。でもそれが部活になるっていうのは」

「……人の話を聞く気がないのね。比企谷くん。女子と話したのは何年ぶり?」

 それが俺の求める答えと一体何の関連が有るというのだろう。
以下略



25:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 14:01:05.15 ID:KKdbAala0
「いや別に女の子と話すために生まれてきた訳じゃないからさ、そうしなければならない理由もないし、現時点で特別そういう欲求もないんだ。だから与えて貰わなくて結構だと言ってるんだけど」

 俺の発言に耳を疑うと言わんばかりの反応を見せる少女。目が釣り上がり、口調も鋭くなっている。
少女は立ち上がり、俺を見下ろした。

以下略



26:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 14:01:57.98 ID:KKdbAala0
「私はそうは思わないわね。貴方のコミュニケーション能力には重大な欠陥が有る」

「自己紹介もしてくれない相手にコミュニケーション能力について説かれる日が来るなんてな。これは審判の日も近いかも」

「……チッ、私は雪ノ下雪乃。2年J組」
以下略



27:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 14:02:30.67 ID:KKdbAala0
 雪ノ下さんの言い分にも一理ある。

「じゃあ、それでいいや。俺には友人が一人もいない」

 俺がそういうと雪ノ下さん、いやもうなんか腹経つので雪ノ下と呼び捨てることにしよう。
以下略



28:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 14:02:59.63 ID:KKdbAala0
「何がだ?」

「普通ならあんな風に言われたら腹の一つも立てるものだわ。でも、貴方は」

「そんな変でもないだろ。宮沢賢治の雨ニモマケズって言ったら教科書に載ってる位だし、銀河鉄道の夜もかなりの名作だって言われてる。読んどいて損は無さそうだし、ちょっと興味が惹かれただけだよ。ただ読んでみない事には分からないけど、星となって燃え尽きる事が悲惨な最後だとは思えないけどな」
以下略



29:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 14:04:46.83 ID:KKdbAala0
「見たままを言ってるだけだろ。それに褒めるのが気に食わないっていうならお前の性格について言及しようか」

「慈悲深い私を褒め称えるだけに終わりそうだからいいわ」

 雪ノ下の尺度で言えば、ここでそれを態々否定しない俺の性格もいい加減慈悲深いとか言われてもおかしくない。
以下略



30:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 14:05:41.34 ID:KKdbAala0
 眼球でも腐っているんじゃないですか。そう俺が思ったのは当然だろう。
てかこの人廊下で会話を盗み聞きでもしてたのか。

「その調子で比企谷の更生に努めてくれたまえ。では、私はこれで戻る」

以下略



31:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 14:06:52.11 ID:KKdbAala0
「自分を客観視なんてする必要があるのか? そもそもお前の言う客観は本当に客観か? 何処まで行った所で人間が真の客観性を手に入れることなんて出来ない。だってそれを解釈する主体が主観なんだから。そもそもお前は客観に変われと言われれば変わるのか? どんなにお前の主観がそれを拒否しても客観を受け入れる理由なんてものが有るのか?」

「でもそれじゃあ苦しい現状は変わらない。そんなもの逃げてるだけじゃない」

「逃げてなんか不味い事が有るのか? 世間様なんて別に俺に何の関心も持ってないんだ、好きにさせてもらうさ。それに苦しい現状を変える為にすべき事は自分が変わる事だけじゃない。現状を変えてやりゃ良いんだ。なんだったらその1手段として逃げるってのも十分に有りだろ」
以下略



32:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/21(日) 14:07:46.39 ID:KKdbAala0
 先生は俺と雪ノ下の顔を見比べてニヤニヤと実に面白そうな顔をしていた。

「互いの意見がぶつかった時は勝負で決するのが少年漫画の習わしだ。君たちはこれからここに来る悩める子羊たちを導いてお互いの正しさを証明し給え」

 勝者には相手への絶対命令権付きなと俺達を煽る先生。
以下略



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