130:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:10:12.84 ID:mAIq3Puio
「ちょっと、我慢してね」
呼び掛けた声を聞く相手は、もうこの世に居ない。
だからきっと、躊躇する理由はない。
131:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:10:53.52 ID:mAIq3Puio
やがて、鎧の中にいた全ての魔獣どもに翼が届いたと感じて。
私は力を爆発させた。
轟音と共に、何もかもが粉々に砕けた。
132:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:11:45.13 ID:mAIq3Puio
そして私は揚力を失い、下へと少しずつ落ちていく。
魔女の骸と魔獣の巣を生やしていた根元へと。
美樹さやかの遺体のところへと。
133:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:12:25.21 ID:mAIq3Puio
「まだよ!」
「結界消えてねえぞ、油断すんな!」
134:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:13:20.17 ID:mAIq3Puio
思いっきり、掌を開いた。
その勢いで、私は魔獣の顎を鷲掴みにした。
「残念ね」
135:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:14:45.39 ID:mAIq3Puio
◆
136:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:15:37.51 ID:mAIq3Puio
「じゃあやっぱり、あれは、さやかじゃなかったんだな」
わかっちゃいたけどさ、という佐倉杏子の声。
ええ、という巴マミの声も、どこか小さい。
137:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:16:20.79 ID:mAIq3Puio
ちょっと、と言いながら慌てて巴マミも来る。
私は座ったままの姿勢から、のろのろと佐倉杏子を見上げた。
逆光のせいで、その表情は見えなかった。
138:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:16:59.25 ID:mAIq3Puio
少しの時間が経って。
私は、ゆっくりと立ち上がった。
美樹さやかの手を、とったまま。
139:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:17:41.07 ID:mAIq3Puio
しばらく、佐倉杏子は返事をしなかった。
ちょっとしてから、わかった、とだけ返ってきた。
「ちょっと待って、暁美さん」代わりに、巴マミが引きとめてきた。
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