過去ログ - 僕「宇宙人に会った」
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1:オータ ◆aTPuZgTcsQ
2015/07/13(月) 17:46:56.27 ID:pbmAn6xEO
男「宇宙人に会った」の続編です。
前編を読んでからでないと、意味が分からないかもしれません。

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2:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2015/07/13(月) 17:47:53.50 ID:pbmAn6xEO
自分を俺と呼ぶだけで、周囲は慌ただしく表情を変えた。
もっと早くに見るべき反応を、俺は今さら見ている。
少しはあのときから成長したと言うことだろうか。
俺はふんわりと漂う花の香りを思い出した。

以下略



3:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2015/07/13(月) 17:48:49.36 ID:pbmAn6xEO
二十年前、僕はまだ幼稚園児だった。
幼稚園児なのに、もう世間から浮いていた。
頭はそれなりに回る方だし、運動も特に不得意な訳ではない。
だけど、まわりの人間とどうしても馴染めなかった。
みんな、あまりにも子供すぎて、幼さについていけなかったのだ。
以下略



4:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2015/07/13(月) 17:49:39.26 ID:pbmAn6xEO
母が迎えに来て、妹と三人で家に帰ると、やっぱり父は家でテレビを見ていた。
職につかない父と仲の悪い母は、近所迷惑など考えもせず夜中に言い争いを繰り返す。
僕はこっそり妹を呼んだ。


以下略



5:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2015/07/13(月) 17:53:16.99 ID:pbmAn6xEO
「今日は海に行こうね。お父さんとお母さんには許可をもらったから」


眠たそうな目をしたまま、昨日と同じ白いワンピースを着た女の子は、僕に言った。

以下略



6:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2015/07/13(月) 17:54:41.43 ID:pbmAn6xEO
話題に困った僕は、ふと女の子に親のことを聞いてみた。


「二人ともいい人よ」

以下略



7:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2015/07/13(月) 17:57:28.06 ID:pbmAn6xEO
騒がしい波の満ち引きの音に、さらさらと流れる砂浜に、どこまでも続く青空に、彼女はなにを思ったのだろう。
僕は佇む彼女の横で、彼女がなにか言うのを待っていた。
だけど、彼女は海を眺めたまま立ち尽くしているので、僕はその場をそっと離れた。


以下略



8:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2015/07/13(月) 17:58:37.76 ID:pbmAn6xEO
空と海がオレンジに染まる頃、僕たちはようやく立ち上がり、あの急な坂を歩き出した。
行きも楽じゃなかったけど、帰りの上り坂もやっぱり辛い。
呼吸を早くしながら、僕はふっと墓場のことを思い出した。


以下略



9:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2015/07/13(月) 18:00:20.85 ID:pbmAn6xEO
はっと目が覚めると、僕は自分の部屋のベッドで横になっていた。
外が騒がしいので、扉をゆっくり開けると、そこには妹が立っていた。


「お、お兄ちゃん!」
以下略



10:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2015/07/13(月) 18:01:34.68 ID:pbmAn6xEO
相変わらず保健室通いを続ける僕に、ある変化が訪れた。
僕が失踪した時に教室に行ってないことがバレて、母が幼稚園に文句をつけにきたのだ。
いっそ怒鳴りこんでくれれば、少しは僕に同情が集まりそうなのに、無駄な知性を溢れさせて母は担任と対峙した。


以下略



11:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2015/07/13(月) 18:02:40.31 ID:pbmAn6xEO
あの人の名前がなんだったのか、今の俺には思い出せない。
再び現れた彼女は、あまりにもあの頃と雰囲気が変わり、俺には思い出す手がかりにならなかった。
しかし、ふんわりと漂っていた花の香りを思い出す。
白い作業着には似合わない、柔らかくて安心するような香りだった。

以下略



12:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2015/07/13(月) 18:06:06.60 ID:pbmAn6xEO
やっぱりこういう内容は恥ずかしいのですが、後編も書いてしまいました。
読んで頂けて嬉しいです。

三代目「ナルトはお前に任せる」
勇者「ゴキブリ勇者」
以下略



13:名無しNIPPER[sage]
2015/07/14(火) 02:50:08.13 ID:9WJKsG/so
乙!

今度はちゃんと名前を聞かなきゃね


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