17:名無しNIPPER[saga]
2015/08/02(日) 03:51:50.92 ID:V8gzDOoiO
咲「ダブルリーチ」
18:名無しNIPPER[saga]
2015/08/02(日) 03:52:30.96 ID:V8gzDOoiO
投じられる千点棒。卓上に落とされる、最初の捨て牌。
しばたたかれる三対の眼。
19:名無しNIPPER[saga]
2015/08/02(日) 03:53:30.86 ID:V8gzDOoiO
咲「ありがとうございました。…天江さん、私の勝ちだね。場代、よろしく」
微笑む咲の真正面で、ゆっくりと、涙を湛える衣。ガン泣き一歩手前といった様子だ。
20:名無しNIPPER[saga]
2015/08/02(日) 03:54:32.42 ID:V8gzDOoiO
衣はひとり、卓に取り残され、半眼で辺りを見渡していた。
視界の隅で付き人の執事が如才なく会計を済ませていた。そこから横に滑っていくと、ひとりの女性が茫然と立ち尽くしている。
先程まで咲と衣が対局していた卓に視線を釘づけにされている。
21:名無しNIPPER[saga]
2015/08/02(日) 03:56:27.20 ID:V8gzDOoiO
健夜は、身勝手な残影を目の前の少女に投影していた。
手折る。千切る。打ち砕く。踏み躙る。
圧倒的で、他を寄せ付けない、ゆえに退廃的で孤独な麻雀。
それは、まるで鏡写しに見る自分のようだった。
22:名無しNIPPER[saga]
2015/08/02(日) 03:57:33.47 ID:V8gzDOoiO
意識がゆっくりと覚醒していくのを感じる。
たぶん、もう日も高くなり始めている。そんな予感を抱きながらも、身体を起こす気にはなれなかった。なんなら瞼を開く気力さえ湧かない。
憂鬱すぎた目覚めの原因は、過去や夢にはない。珍しく、現在進行形で咲の頭を悩ませている問題のせいだった。
23:名無しNIPPER[saga]
2015/08/02(日) 03:59:12.44 ID:V8gzDOoiO
咲「…はい。どなたでしょうか」
軽い身支度を手早く済ませた咲は重い足取りで玄関へ向かった。
あわよくば、来客が単なる配達員か、それか勧誘かなにかで、身支度の間に諦めて帰っていてくれたら。
24:名無しNIPPER[saga]
2015/08/02(日) 04:00:29.86 ID:V8gzDOoiO
咲「お茶しか出せませんけど」
健夜「おかまいなく」
25:名無しNIPPER[saga]
2015/08/02(日) 04:02:17.89 ID:V8gzDOoiO
健夜「宮永さんは、高校はもうどこいくか決めたの?」
咲「どうしてそんなこと聞くんですか?」
26:名無しNIPPER[saga]
2015/08/02(日) 04:04:06.24 ID:V8gzDOoiO
咲「近いところから選びますよ。清澄なんていいんじゃないですかね」
健夜「風越にいこうとかは思わないの?」
27:名無しNIPPER[saga]
2015/08/02(日) 04:06:26.59 ID:V8gzDOoiO
健夜「他は、たとえば城山商業とか」
咲「どこでもいっしょですよ。私が混じったら、そこがいままで築いてきたものをいたずらに崩してしまうだけだと思います」
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