24:名無しNIPPER[sage]
2015/08/03(月) 08:37:09.41 ID:qLyRyBoSo
面白い
期待
25: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/03(月) 19:17:29.52 ID:RYHG2sjFo
――森の家屋・呪術師の家
彼女の家は森の中にあった。簡素な、台風でもやってくれば吹き飛びそうな小さな小屋の様な家だった。
26: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/03(月) 19:17:57.18 ID:RYHG2sjFo
―――呪術師の家で世話になる事、数日が過ぎた。
俺は彼女の寂しそうな佇まいに、以前の少女の家の様に飛び出す事が出来ずにいた。
彼女は俺がいなくなれば、悲しんでしまう様な気がして。これが俺に出来る、彼女への償いの様な気がしていたからだ。
27: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/03(月) 19:18:23.91 ID:RYHG2sjFo
呪術師「あの時、魔法使いは勇者の話を毎日してた。そして、選ばれた時……舞い上がって、喜んで」
「私たちは魔術や呪術の素養が高い。だから、妹は適正。だけど、私は? 妹が正なら、私は負」
「人に褒められる適正を得たのは、妹……私のは、魔術じゃなくて呪術……」
28: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/03(月) 19:18:49.74 ID:RYHG2sjFo
犬勇者(……使い方次第、とは思うけどな。魔術も呪術も、悪人が使用すれば結局は同じ事だぜ)
呪術師「でもそれでいい。きっと妹は勇者と魔王を倒して、平和な世の中にしてくれる」
「私に出来るのは、この忌避される力で……出来る事を、するだけ……」
29: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/03(月) 19:19:17.12 ID:RYHG2sjFo
そしてこのパターンである。お風呂、気持ちいいから好きだ。犬になってからは、更に好きになった。
……何時もは呪術師は服を来て、俺を洗ってくれていた。ああ、それは問題ない。
だがな、だがしかしだ―――今日は、完全に裸体を曝け出して、俺と入浴……だ、よ?
30: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/03(月) 19:20:17.47 ID:RYHG2sjFo
呪術師「何を興奮してるの? もう、君は結構……えっちぃのかな?」
犬勇者「はっはっはっはっは」(いや、ホント勘弁してください)
31: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/03(月) 19:20:46.60 ID:RYHG2sjFo
ちゃぽん、と湯船に一緒に浸かる。もう……至福の時すぎて、死にそう……。
呪術師「ふぅー。こうして誰かと、一緒にお風呂に入るのは……久しぶり」
32: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/03(月) 19:21:18.32 ID:RYHG2sjFo
更に数日が経った。その日は生憎の雨で、散歩にも行けやしない……正直、少し苛立っていた。
それは呪術師の家に留まり続ける自分への、葛藤だったのかもしれない。
呪術師「……ん、美味しくできた」
33: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/03(月) 19:21:50.61 ID:RYHG2sjFo
使者「呪術師殿は居られるか」
呪術師「……私、だけど」
34: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/03(月) 19:22:18.38 ID:RYHG2sjFo
犬勇者(それにしても勇者の姿が確認出来なかったか。まあ、そりゃ俺がここにいるからな……)
とはいえ三人が昏睡状態とはいえ、生存の確認がとれたのは僥倖だ。
魔王の目論見は不明だし、考えれば考える程……最悪のパターンも想像出来なくはないが、今は素直に喜ぶ。
145Res/115.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。