過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
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132:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/19(月) 01:23:46.77 ID:h24hYKe/O

デニスが俺の顔を見て、バカにしたように薄笑いを浮かべている。何であれ、警戒を解いてくれたらしいのはありがたかった。


「長男のジェイクは覚えておるだろ?」
以下略



133:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/19(月) 01:33:15.27 ID:h24hYKe/O

老人は銃を肩に担いだまま背を向け、姿を現した時と同じしっかりした足取りで玄関扉の向こうへ消えた。

残された殺人容疑者の俺は地面にしゃがみ込んで、ぶちまけられたカバンの中身をのろのろと拾った。

以下略



134:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/19(月) 01:44:33.45 ID:h24hYKe/O

ベンツが動き出した。住宅地の街路を抜け、郊外に向かう幹線道路に乗り入れる。


「女房のナンシーを覚えてるか? 来週三回忌を迎える。早いもんだ」
以下略



135:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/19(月) 01:53:41.69 ID:h24hYKe/O

「上等なことを抜かすじゃないか。向こうでも人殺しをやらかしたのか?」

「またご冗談を…… 王です。私の国の王が、理由もなく私を殺すというので」

以下略



136:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/19(月) 02:14:17.53 ID:h24hYKe/O


俺は昨晩ルイーズと会った時のことを洗いざらい話した。
既に一人の人間が無残な殺され方をしている。王が俺に下した宣告とカード占いの奇妙な符合など、もはや他人から見ればたわ言でしかない。

以下略



137:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 00:14:39.62 ID:L+14OgXBO


車は市街地を離れ、しばらく海沿いを走った後で峠道に入った。
低緑樹と砂礫層に覆われた山裾を、道は緩いカーブを描きながら這い上がっていく。

以下略



138:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/24(土) 00:45:54.61 ID:L+14OgXBO

ひんやりとした空気が、俺の顔を撫でた。


壁を白一色に統一した、聖堂のようなホール。そこに正装した年配の男女20人ほどが、円環状に椅子を並べ、輪の内側を向いて座っている。
以下略



139:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/24(土) 01:00:50.57 ID:L+14OgXBO

今の俺の境遇では、そんな人物の正面に座らされるのは当然気後れがする。
だが、「保護者」から離れるわけにいかない俺は、近親者の葬儀に初めて連れてこられた幼児のように、神妙な顔でデニスと並んで座るしかなかった。

俺は恐る恐る、デニスに話しかけた。
以下略



140:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/24(土) 01:10:07.38 ID:L+14OgXBO

「お前」


俺は耳を疑った。老女の口から発せられたのは、まぎれもない俺の国の言葉。老女は「omae」と発音したのだ。
以下略



141:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/24(土) 01:36:43.26 ID:L+14OgXBO

「あなたに謝ります。あの時、私は嘘をつきました。私がこの国へ来たのは出張なんかじゃありません。私の国の王に追われていたんです。王が私を殺そうとしているんです!」

「ならばなぜ、あの時そう言わなかった」

以下略



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