過去ログ - 二宮飛鳥「魔法にかかったボクは」
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1: ◆C2VTzcV58A[saga]
2015/10/03(土) 02:08:02.57 ID:FpM9L6dM0
日曜日。
一般的な学生にとっては休日だが、ボクにはアイドルとしての仕事がある。
少々余裕をもって早めの時刻にセットしておいた目覚ましの音で意識を覚醒させ、緩慢な動作でベッドから這い出た。
以前小梅に寝起きの姿を見られたことがあったが、まるでゾンビみたいな動きだと喜ばれた記憶がある。その話を聞いたPは、そのうちゾンビ役の仕事をとってこよう、なんて冗談めいた口ぶりで言っていた。
もし本当にとってきたら、その時はその時で屍の真似を楽しもうと思う。
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2: ◆C2VTzcV58A[saga]
2015/10/03(土) 02:10:40.90 ID:FpM9L6dM0
朝食をとり、身だしなみを整えて寮を出る。
ポタッ
頬に冷たい感触が一滴。
3: ◆C2VTzcV58A[saga]
2015/10/03(土) 02:14:39.70 ID:FpM9L6dM0
バシャッ!
「おー、結構跳ねたな」
4: ◆C2VTzcV58A[saga]
2015/10/03(土) 02:16:43.53 ID:FpM9L6dM0
「おはようございます。あら、お二人で仲良く出勤ですか?」
部屋に入ると、先に来ていたちひろさんが笑顔で出迎えてくれた。
「はい。来る途中に偶然飛鳥と会ったので」
5: ◆C2VTzcV58A[saga]
2015/10/03(土) 02:18:54.86 ID:FpM9L6dM0
「へくちっ!」
「ん?」
ソファーの方からくしゃみが聞こえてきた。背もたれの向こう側に誰かいるのだろうか。
近寄って様子を見てみると、ジャージ姿で丸くなっているアイドルがひとり。
6: ◆C2VTzcV58A[saga]
2015/10/03(土) 02:21:02.68 ID:FpM9L6dM0
「アタシ、雨って嫌いなのよね。こういうハプニング起こりやすいし、髪は湿気て痛んじゃうし」
「ボクは嫌いじゃないかな。晴耕雨読なんて言葉があるけど、雨音を聞きながら本を読むと不思議と捗ったりするから」
彼女の隣に座り、忘れ物がないか鞄を確認しながら雑談する。今もビルに打ちつける雨の音が聞こえてくるが、ボクにとってはなんとなく心地の良いBGMに思えた。
7: ◆C2VTzcV58A[saga]
2015/10/03(土) 02:23:49.60 ID:FpM9L6dM0
「………」
3分ほど経っただろうか。ドアが開き、そこから現れたのは。
「お、おはようございま……フヒッ!? な、なんだ、この熱っぽい視線は……」
8: ◆C2VTzcV58A[saga]
2015/10/03(土) 02:26:18.10 ID:FpM9L6dM0
今日は午前中にレッスン、午後からは撮影の仕事というスケジュール。
ベテランのトレーナーに他のアイドル達とともにしごかれ、なんとか午前の時間を終えた。
体力のあまりないボクは息も絶え絶えだったが、ダンスが得意な梨沙はまだまだ平気そうだった。なんとも羨ましい限りだ。
「……か。飛鳥、聞いてるか?」
9: ◆C2VTzcV58A[saga]
2015/10/03(土) 02:28:22.04 ID:FpM9L6dM0
「飛鳥」
「なんだい」
ボクが緊張に押し潰されそうになっている時。
隣にいるプロデューサーは、毎度毎度きまってボクの両肩に手を乗せて、
10: ◆C2VTzcV58A[saga]
2015/10/03(土) 02:29:17.06 ID:FpM9L6dM0
「……キミはあれだ。きっと女性の扱いがうまい」
かくしてボクの緊張はたった一言により瓦解し、冗談めいたセリフを口にすることができるだけの余裕が生まれたのだ。
まるで魔法のようだと思う。ボクは前に進めないシンデレラで、Pという名の魔法使いが魔法をかけるのだ。
……我ながら、さすがにロマンチックな妄想がすぎるか。今のは忘れよう。
11: ◆C2VTzcV58A[saga]
2015/10/03(土) 02:30:39.55 ID:FpM9L6dM0
「けれどキミは諦めなかった」
「当たり前だ。初めて自分でスカウトしたアイドルだぞ。10を聞いて1しか理解できないなら、100を聞けば10理解できるし、1000を聞けば100理解できる。そのくらいの気持ちでいった」
「そうしてキミはボクの理解者になった。初めからそうだったのではなく、キミ自身の意思と努力をもってボクを理解してくれた」
それがたまらなくうれしかった――とまでは、さすがに口にできない。今言ってしまったら、気恥ずかしさでこれからの撮影に支障をきたす可能性がある。
12: ◆C2VTzcV58A[saga]
2015/10/03(土) 02:31:52.51 ID:FpM9L6dM0
「今日もお疲れ様。よかったよ」
帰りの車の中。助手席に座るボクは、運転中のPの横顔をなんとはなしに眺めていた。
「どうした? 俺の顔になんかついてるか」
13: ◆C2VTzcV58A[saga]
2015/10/03(土) 02:33:15.35 ID:FpM9L6dM0
「相棒、なんてどうだ」
……なかなかにボクを喜ばせてくれる、Pが出した答えだった。
「相棒、か。うん、キミらしい……それでいてボク好みの答えだ」
14: ◆C2VTzcV58A[saga]
2015/10/03(土) 02:35:38.79 ID:FpM9L6dM0
「さっきからずっと窓見てるけど、何か面白いものでも見えるのか?」
「……さあ、どうだろうね」
実際はほとんど景色なんて見ていないので、そう答えるしかない。
ではボクはなにをしているのかと言うと。
15: ◆C2VTzcV58A[saga]
2015/10/03(土) 02:39:34.06 ID:FpM9L6dM0
地の文ありでSSを書く練習でした
一応私が書いているヴァリアスハートシリーズと世界観は同じです
飛鳥君はやくデレステにきてくださいなんでもしまむら!
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