37:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:35:15.03 ID:0oXNO4iLo
「え?」
彼女は、びくりと大きく体を跳ねさせた。
こんな人気のない場所で、話しかけてくる奴がいるなんて思わなかったんだろう。
38:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:35:41.33 ID:0oXNO4iLo
「うん。きみは新入生?」
そう問いかけたところで、彼女と目が合う。
39:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:36:12.68 ID:0oXNO4iLo
「これ、もらっちゃだめですか?」
「……え?」
40:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:37:41.71 ID:0oXNO4iLo
◇
なんとなくすぐに部室に戻る気になれなくて、俺は東校舎の屋上へと向かった。
本校舎の屋上も東校舎の屋上も、一応開放されてる。
41:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:38:25.92 ID:0oXNO4iLo
いちおう、文芸部員である佐伯。物腰が落ち着いていて、く大人びているんだけど、
ときどきこういう、変に子供っぽいところを見せる。部活サボって屋上でシャボン玉吹いたり。
「……なんでこんなところにいるわけ?」
42:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:38:56.75 ID:0oXNO4iLo
「部活は?」
「高森とゴローは帰ったよ。そっちこそサボり?」
43:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:39:31.61 ID:0oXNO4iLo
◇
部活を終えてマンションに帰ると、静奈姉はもう帰ってきていたみたいだった。
ダイニングのソファに寝転がって、クッションを抱えたままテレビを眺めている。
44:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:40:02.60 ID:0oXNO4iLo
進学先の高校の近くに親戚が暮らしていることは分かっていた。
だからこそ、そこを選んだという面もある。
お目付け役をつける形なら、話も通ると思ったのだ。本当はそれだけじゃなかったけど。
45:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:40:29.11 ID:0oXNO4iLo
「……ごはん、つくろっか。お腹すいたでしょ」
そう言って笑った静奈姉は、ソファから起き上がった。
46:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:40:59.05 ID:0oXNO4iLo
そのままキッチンに向かって、静奈姉はひとりで料理をはじめてしまった。
俺はとりあえず着替えることにした。
一応2DKで、俺用の部屋も用意してもらえた。もともとは物置として使っていたらしい。
47:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:41:25.60 ID:0oXNO4iLo
「……学校、どう?」
ときどき、沈黙を嫌うみたいに、静奈姉は俺にそういう質問をぶつけてくる。
気まぐれなのかもしれないし、ずっと話しかけるタイミングを窺っていたのかもしれない。
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