6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/17(火) 00:32:48.39 ID:/ylhE4Sso
しかしこんな私にも、今は彼女がいる。
時計を見ると、夜21時だった。あと一時間で彼女からの電話が来る。誰にも秘密の二人だけの電話……友人たちに関係を隠しながらではあるが、心から楽しいと思える恋ができていた。
私はもう……中学時代とは違う。
7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/17(火) 00:33:45.19 ID:/ylhE4Sso
「櫻子……ちょっと出てって」
「え? なんで? 何が書いてあるか見せてよ」
「出てって、お願い」
8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/17(火) 00:34:33.84 ID:/ylhE4Sso
「!!」
慎重に折り開けていくと、そこには紙が二枚挟まっていた。
9:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/17(火) 00:35:34.46 ID:/ylhE4Sso
*
手紙の意味がわからないまましばらくの時がたち……とある休日、私は思わぬ形で赤座先輩に再会した。
10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/17(火) 00:37:44.13 ID:/ylhE4Sso
「……ともこ、行きましょ」
「あっ、あかねちゃん……でも……!」
「だめよ。大室さんは今忙しいみたいだから」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/17(火) 00:38:16.00 ID:/ylhE4Sso
*
中学二年生の私は、生徒会役員であると同時に茶道部も兼任していた。
12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/17(火) 00:39:52.97 ID:/ylhE4Sso
「あ……」
その時、ぽこぽんとメールが届く通知音が鳴った。彼女が今日のデートのことで何か送ってきてくれたのかもしれない……少し期待しながら受信ボックスを開いた私の目に飛び込んできたのは……知らないメールアドレスだった。
13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/17(火) 00:40:23.77 ID:/ylhE4Sso
*
「大室さん……ごめんなさい!!」
14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/17(火) 00:41:00.76 ID:/ylhE4Sso
「先輩……昨日私の隣にいた子、覚えてますか?」
「え……?」
「私は今……あの子とお付き合いしています。ただの友達関係じゃないんです」
15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/17(火) 00:41:30.58 ID:/ylhE4Sso
「先輩と赤座先輩が今付き合ってるんだとしたら……ちょっと気になることがあるんですけど、いいですか」
「なに……?」
「でもこれは……ひょっとしたら、吉川先輩を傷つけちゃうかもしれないことですけど」
16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/17(火) 00:41:59.67 ID:/ylhE4Sso
はっきり言って、私は今の赤座先輩と吉川先輩が純粋な両想いで付き合っているとは思えなかった。
吉川先輩の想いはひたむきに赤座先輩に向かっていることだろう。だが赤座先輩のほうがわからなかった。
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