5: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:19:01.08 ID:OZ5mIP6Co
勇者「変な技を使うな」
サキュバスA「さすがに爆発はさせられませんが、暴発ならさせてもいいか……と」
6: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:20:44.38 ID:OZ5mIP6Co
――――――
昨日、堕女神は所用のために城を離れた。
どうしても南方の執政官と、人間界への渡航について書類を交わさなければならなくなったという。
昨今までの自粛したムードから一点、その南の街に住む、特に精力に飢えた人外種の淫魔達からの声が無視できなくなった。
7: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:21:25.12 ID:OZ5mIP6Co
朝食のメニューは、生姜を使ったブレッドを中心にした、軽めのものだった。
堕女神が供するものとは違っていても、そのどれもが美味。
香辛料を効かせたスープは、特に冬の朝の身体を温めてくれるようだ。
8: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:22:34.77 ID:OZ5mIP6Co
勇者「……だめ?」
サキュバスA「陛下に何かあれば一大事です。私としても陛下一人での行動は看過できませんわ。ですので」
9: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:24:57.24 ID:OZ5mIP6Co
勇者「……久々に、指すか?」
そう提案すると、サキュバスAは唇をかすかに歪めて笑った。
この世界に来た時に一度教わり、それから暇を見つけてもう二局。
10: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:26:01.94 ID:OZ5mIP6Co
しばし、朝食を済ませて城内を巡る。
思えば、これは初めての事だ。
かつての七日に始まって、季節の移ろいが人間界と同じとすれば、春頃にこの国へ来た。
そこから夏、秋と過ぎて冬の今、城にいる時はこれまで堕女神がいた。
11: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:26:58.40 ID:OZ5mIP6Co
サキュバスA「……お待ちしておりましたわ、陛下」
書斎の中央にある大机には、すでにサキュバスAがついていた。
机の上には、駒無しのゲーム盤がある。
12: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:27:54.25 ID:OZ5mIP6Co
勇者「……前のと違うな?」
サキュバスA「ええ。この中央ではなく、西方で用いられているタイプです。私もこれを使うのは久々で、新鮮ですわね」
13: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:28:41.07 ID:OZ5mIP6Co
勇者「……俺、か」
黒の「王」は、勇者自身の姿をしていた。
だがその佇まいは、野蛮さや邪悪さはまとっていない。
14: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:30:21.19 ID:OZ5mIP6Co
サキュバスA「影、猫、闇夜の蝙蝠、淫靡な嘘。サキュバスはそういった概念と切り離せないものでしてよ?」
勇者「その割には、チェスの腕は……単純な俺と互角じゃないか」
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