過去ログ - 和「あの夏の名残」
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8:名無しNIPPER[saga]
2016/01/20(水) 22:31:05.90 ID:dk78gRdd0
頷いてしまいたい衝動を息を呑み込むことで抑えつけて、首を横に振った。

和「いえ、いいです。引っ越しましたから。知らない道は大変でしょう」

咲「そっか。それじゃあ、また」
以下略



9:名無しNIPPER[sage]
2016/01/20(水) 22:33:46.35 ID:9f6F01ziO
咲和すき


10:名無しNIPPER[saga]
2016/01/20(水) 22:35:27.00 ID:dk78gRdd0
それじゃあと再び歩き出した彼女の後ろ姿がゆっくりと遠くなっていく。

和は自宅の小さな墓に埋めるつもりの本に目を落とした。


以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/01/20(水) 22:38:44.48 ID:dk78gRdd0
和「咲さん!」

大声で名を呼ばれた彼女に驚いた様子はない。

呆れたように、ほっとしたように、目を細めて言う。
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/01/20(水) 22:41:46.38 ID:dk78gRdd0

*****

窓の外を流れる景色を目に映しながら、和の意識は右隣に座る咲に集中していた。

以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2016/01/20(水) 22:43:36.69 ID:dk78gRdd0
数秒、見つめ合う。

衝動のままに飛び出して来たものの、何を言うかなど考えていなかった。

ただ和の裡にあった咲への想いが溢れ、全身を満たし、動かした。
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2016/01/20(水) 22:46:06.98 ID:dk78gRdd0
そう言われて、ここが大通りに面した駐車場だという事を思い出した。

だがそんなことに頓着している場合ではない程に和は熱に駆られていた。

とても待てない。
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2016/01/20(水) 22:48:40.27 ID:dk78gRdd0
これほどの想いが受け入れられないと分かれば、自分の心臓は止まってしまうかもしれない。

咲に生殺与奪の権を握られた和は、彼女がどこに車を走らせているかも聞けずに黙って息苦しさに耐えていた。

咲「寒い?」
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2016/01/20(水) 22:54:43.87 ID:dk78gRdd0

*****

咲「着いたよ」

以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2016/01/20(水) 22:58:10.19 ID:dk78gRdd0
降りようかと咲がドアを開ける。

和も外に出た。渇いた風が頬をくすぐる。

飛行機の音が遠くなったり近くなったりするのを聞きながら、和は彼女の名を呼んだ。
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2016/01/20(水) 23:00:37.21 ID:dk78gRdd0
あなたも私が好きだと、臆病な私が正面からあなたを見るのを待っていたと。

そう言ってください。

ぽろりと一粒だけ零れた瞳をそのままに、咲は微かに笑った。
以下略



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