過去ログ - 強い想いがあったなら
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2:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 19:53:05.35 ID:r/YI2ILr0
「お前の想い人じゃん。挨拶してきなよ」
「へ?無理無理無理!緊張して声が裏返っちゃうよ」
「もったいないなぁ。しゃーない、俺が話しかけてきてやるよ。おーい」
「おい、やめろって・・・・・・」

以下略



3:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 19:56:09.49 ID:r/YI2ILr0
「危ない!」

 僕は鞄を投げ出し彼女の元に走る。
 部活で疲れた体から汗を飛び散らせながら、彼女の元に行く。
 まだ間に合う!まだ間に合うんだ!
以下略



4:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:00:04.11 ID:r/YI2ILr0
−−−

「いやぁ、なんか悪いことしたな。俺のせいで」

 目の前で黒い子猫がそう言う。
以下略



5:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:03:15.06 ID:r/YI2ILr0
「全く、変なやつだなぁ。まぁいいさ、そこの扉を潜れば、転生できる。ここのことも今まで生きた人生も全てやり直してな」

 ・・・・・・。

「あ?なんだよ。何か言いたげな顔じゃねえか」
以下略



6:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:06:21.06 ID:r/YI2ILr0
 瞼を開けると、そこはいつもどおりの下校道だった。
 今、なんか長い夢を見ていた気がするけど・・・気のせいか?
 そんなことより、僕は生きている!
 なんだ、てっきりダンプカーに轢かれて死んじゃったと思ったよ。

以下略



7:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:09:14.39 ID:r/YI2ILr0
 幽霊という体は、やることがなさすぎてとても退屈だった。
 何を触っても通り抜けてしまうし、誰にも相手されない。
 それこそ、最初はノリノリで女子風呂を覗いたり、夏美の生着替えを近くで見つめたりしたさ。
 それは純粋に楽しかった。
 しかし、そんな行為も一ヶ月も続くとすっかりやる気すら失ってしまった。
以下略



8:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:13:11.10 ID:r/YI2ILr0
−−−

「コイツが死んで、もう一ヶ月か・・・・・・」

 俺は力無く呟きながら、墓石に水をかける。
以下略



9:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:16:29.69 ID:r/YI2ILr0
「春樹君・・・・・・」
「もう一ヶ月・・・・・・早いよな。まだあの日のことを忘れられねえよ」

 花を供えながら呟く。
 本当に、あっという間だ。今でも、瞼を閉じればあの光景が余裕で思い浮かぶ。
以下略



10:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:19:25.15 ID:r/YI2ILr0
−−−

 夏美が、僕のことが好きだって?
 僕は驚きのあまりその場に立ち尽くしてしまった。
 信じられない。彼女が僕のことを好きだなんて、信じられないよ。
以下略



11:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:22:30.27 ID:r/YI2ILr0
「僕のことが、見えるんですね!?」
「だから見えると言っておろうが。わしを馬鹿にしとるのか」
「ははっ・・・久しぶりに人と会話できたっ・・・・・・」

 僕は老人の肩を叩こうとしたが、もちろんすり抜ける。
以下略



12:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:25:20.64 ID:r/YI2ILr0
「なッ・・・・・・笑わなくていいじゃないですか!」
「いやいや・・・はははっ・・・青春しているな〜と思ってな」
「恥ずかしい・・・・・・」
「良いじゃないか。そこまで強い思いを持てる君の未練は自ら解決することで、成仏できそうじゃのう」

以下略



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