過去ログ - 【モバマスSS】香水 あるプロデューサーの物語
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名無しNIPPER
[saga]
2016/03/29(火) 22:15:17.04 ID:stipOQWj0
◆
慶は、346プロダクション内の役員室の前にいた。扉をノックし、返事を聞いてから入室する。
以下略
43
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/03/29(火) 22:16:19.85 ID:stipOQWj0
「君が担当している、北条加蓮というアイドルだが、彼女はあまり成果が出ていないようだ。君がどのようなプロデュースをしているのか、直接聞きたいと思ってね」
やはり加蓮のことか。予想していたことなので、慶は取り乱すことはなかった。いずれ常務から指摘されるだろうと思っていたので、あらかじめ言い訳は考えていたのだ。
「北条加蓮は、言わば大器晩成型でしてね。確かに、他のアイドルよりも少し歩みは遅いでしょう。しかし、つい先日のデビューライブでも良い反響がありましたし、用意していたCDも完売しました。この先の成長についても、期待できると思います」
以下略
44
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/03/29(火) 22:17:25.99 ID:stipOQWj0
「北条加蓮の件については君にまかせよう。一応ノルマを課すが、君の采配にまかせる。今までの実績を見るに、君は過去に何人かのアイドルを大成させているのだからな」
慶は、ほっと胸をなでおろした。
「では、私はこれで……」
以下略
45
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/03/29(火) 22:18:10.48 ID:stipOQWj0
「事実無根の噂ですね。自分で言うのも烏滸がましいのですが、恐らく私に対する嫉妬が根底にあるのだと思います。私はこれまで、何人かのアイドルを世に送り出してきたという自負がありますし、私が大手企業の御曹司であるということで、よからぬ反感を受けるのでしょう」
「西門製薬だったな。前から気になっていたのだが、そんな君が、どうして芸能プロダクションに入社しようと思ったのだ?」
「好きだからですよ。私は、多くの人と触れ合うのが好きですし、人が夢と希望を持ち、輝きながら活躍するのを見るのが好きですから」
以下略
46
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/03/29(火) 22:19:16.11 ID:stipOQWj0
美城常務は沈思している。西門製薬の紐付きだと考え直すことによって、この男は切れないと判断するだろう。
それもそうだ。西門製薬は346の筆頭スポンサーなのだから、その紐付きの慶に不埒な真似はできない。
もし慶を解雇したとしても、不当解雇だと主張されたら346と西門製薬の関係は気まずくなるだろう。万が一、西門製薬が346から手を引くということになれば、融資を受けている銀行からも、猜疑の目で見られかねない。
慶は内心でほくそ笑んだ。毎日株価を検めていれば、おのずとわかることだが、346プロダクションの株価は微妙に下降気味なのだ。常務の改革によって路線変更し、成功を収めたプロジェクトもあるが、逆に急ブレーキがかかってしまったケースもある。
以下略
47
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/03/29(火) 22:20:11.87 ID:stipOQWj0
「……わかった。この件に関しては今後持ち出さないこととしよう」
長い沈黙の後、美城常務はそう言った。頭の中で計算ができたのだろう。
「北条加蓮の件も併せて、常務のご英断に感謝いたします」
以下略
48
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/03/29(火) 22:22:30.77 ID:stipOQWj0
「大仰な言い方だな。コンセイユがアロナックス教授に仕えるがごとき忠誠心を、君に期待しても良いのだろうか?」
まさか、美城常務がヴェルヌを引き合いに出すとは思わなかった。慶の中での、美城常務のイメージにそぐわない。しかし慶は、この発言に美城常務の稚気を感じとった。
「“ご主人様のお好きなように”、と言いましょうか。それとも“美城常務のお好きなように”、と言いましょうか?」
以下略
49
:
名無しNIPPER
[sage]
2016/03/30(水) 11:59:14.65 ID:6P5zQO1q0
今更だが
これ金瓶梅入ってるならスレタイにそれいれてもよかったんじゃね
50
:
名無しNIPPER
[sage]
2016/03/30(水) 18:54:48.28 ID:FfWEZef20
パフュームか。映画版は色々端折られてた気がする
51
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/03/30(水) 21:22:47.69 ID:h8nHpmiS0
◆
「かんぱーい」
以下略
52
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/03/30(水) 21:23:35.99 ID:h8nHpmiS0
実は、加蓮をこんな高級レストランに誘ったのも、ちゃんと理由がある。
まず、加蓮ぐらいの年頃の少女は、皆背伸びをしたがるものだということ。慶もこのあたりはしっかり心得ている。
次に、加蓮に正式なテーブルマナーを覚えさせること。
加蓮が順調に活躍していけば、いずれ社会的身分の高い人々と会食する機会もあると思われる。トップアイドルとしての意識を、涵養するためでもあるのだ。
以下略
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