過去ログ - オッサン勇者と少女魔族が世界を旅する話
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名無しNIPPER
[saga]
2016/04/18(月) 01:16:44.26 ID:ZyCwTMFeo
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「もう一度言いますけど、私は私の意志でここにいるのではないのですからね」
「うるせェ! 黙って歩け!」
以下略
11
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/04/18(月) 01:17:40.64 ID:ZyCwTMFeo
勇者と呼ばれた男が王都から魔王討伐に出立して十三年の時が流れていた。
いまだ人間と魔族の敵対は熾烈を極めていたが、ほんの二年程前から魔族の侵攻が弱まっていた。
二年前。勇者が魔界に繋がると言われる島に最も近しい村で目撃された。
「これから魔界に行く」と王都への言伝を村の長に頼んだ後姿が、人々の知る最後の勇者の姿である。
以下略
12
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/04/18(月) 01:18:48.31 ID:ZyCwTMFeo
故に王都からの正式な声明はなかったものの、民心の大半は「勇者は魔王を斃したが、魔王との戦いで命を落とした」という結論に傾いていた。
そしてさらに一年後。つまり現在、世界最大の大陸の中央を真っ二つに割る形で人間と魔族は睨み合っている。
平和からは程遠いものであるものの、一歩一歩確実に完全勝利へと向かっているという実感に人々は酔いしれ、王都の中心は束の間の安息を享受していた。
おかげで戦場の最前線から程遠くなった王都は、かつて忘れられていた活気というものに溢れていた。
以下略
13
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/04/18(月) 01:20:27.05 ID:ZyCwTMFeo
「前々から思っていたが、アイツのことちっとばかし過剰に評価しすぎじゃねェか?」
「私は事実のみを評します」
「全知全能はどうかと思うが。まァ、優秀だってことは認めてやる」
以下略
14
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/04/18(月) 01:23:34.02 ID:ZyCwTMFeo
「どうして、こんな変哲もないものが? 確かに細工はそれなりに麗しいですが」
「いやいや。なんでもない、なんてとんでもない! これはちょっとしたまじないがかかってましてね」
「まじない、ですか」
以下略
15
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/04/18(月) 01:24:46.06 ID:ZyCwTMFeo
今までに感じたことのない、奇妙な感覚。それでいてはっきりとわかる不吉の予兆。
「へ、へへ……なにを仰っているのか」
「なにを笑っているのですか?」
以下略
16
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/04/18(月) 01:25:51.96 ID:ZyCwTMFeo
大通りを離れた裏路地を先ほどの男女が早足に進んでいく。
「お前、なんにも考えてねェだろ」
「そんなことありません」
以下略
17
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/04/18(月) 01:26:42.76 ID:ZyCwTMFeo
「一つだけ言っておくぞ。お前の使命なんざ、俺はどうでもいいがな。騒ぎを起こせばお前たちの目的達成は困難になることだけは覚えておけ。
人間界ってのは、良くも悪くも他人との繋がりを重視する。すぐに噂は広まって、穏便に済まなくなるからな」
「わかりました。肝に銘じておきます」
以下略
18
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/04/18(月) 01:27:18.57 ID:ZyCwTMFeo
こんな感じで続けていきます。
よろしければお付き合い下さい。
19
:
名無しNIPPER
[sage]
2016/04/18(月) 01:34:04.69 ID:yej8nFmJO
期待〜、乙
20
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/04/18(月) 06:43:23.24 ID:ZyCwTMFeo
>>11
>二年前。勇者が魔界に繋がると言われる島に最も近しい村で目撃された。
三年前の、間違い
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