過去ログ - 【キズナイーバーSS】 「仄かに薄れて消えるる私は」
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1: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 14:32:13.94 ID:8pdSuCqxo


・地の文多量
・七話から妄想したるるほの過去捏造SS
・二人しか出ない

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2: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 14:37:18.24 ID:8pdSuCqxo

 1

 あと、もうちょっとなのに、ラストまで。

以下略



3: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 14:39:52.93 ID:8pdSuCqxo

 私は手をかざしてみた。

 それは、漫画でよく見た仕草だった。

以下略



4: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 14:44:11.63 ID:8pdSuCqxo
 
 私は自分の身体を抱きしめた。

 そのまま手のひらを服や肌の上でそっと滑らせて、どこかに目立った脂肪がないかと探した。

以下略



5: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 14:47:57.92 ID:8pdSuCqxo

 私の口の中からにおいがする。苦い唾。身悶えする。

 かさかさと、ベッドと服が音を立てる。

以下略



6: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 14:49:02.28 ID:8pdSuCqxo

 自然と笑みが浮かぶ。

 私が、ナイフのように鋭く言葉を投げかけたときの穂乃香の表情。

以下略



7: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 18:28:59.50 ID:8pdSuCqxo

 2

 私と穂乃香がはじめて出会ったのは、間違いなくあの図書室ではない。

以下略



8: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 18:34:53.73 ID:8pdSuCqxo

 自分以外の人間にほとんど興味がない人。

 私とすごく似ている。

以下略



9: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 18:37:45.24 ID:8pdSuCqxo

 私は覚えている。

 母はしばしば確かめるように「あなたが生まれてきてくれて本当に良かった。あなたは、私のすべてなのよ」と繰り返した。

以下略



10: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 18:41:33.11 ID:8pdSuCqxo

 腎臓。

 その疾病。

以下略



11: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 21:14:01.71 ID:8pdSuCqxo

 3

 私が自分の本当の気持ちを理解したのは、穂乃香と二人で漫画を描き始めたあとだった。

以下略



12: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 21:18:36.69 ID:8pdSuCqxo

 私には、欲しいものなんてそのころ一つもなかったけれど、
そういう子――不治の病にかかった子供たちがどういうものを欲しがるのかなら、想像することができた。

 お父さんやお母さんの気持ちを想像するのと同じだった。
以下略



13: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 21:30:14.93 ID:8pdSuCqxo

 発作のとき、苦しくて、苦しくて、苦しくてたまらなくなって、身体はなんだか私の身体じゃないみたいになる。

 私の身体じゃないなら、私の望み通りになって欲しい、と考えるのはおかしい。

以下略



14: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 21:58:27.68 ID:8pdSuCqxo

 だけど私は穂乃香と出会った。

 穂乃香とはじまった。

以下略



15: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 22:00:27.52 ID:8pdSuCqxo

 私たちはいっぱい漫画の取材をした。

 作品の中の彼女達がしそうなことを、一通りこなしていった。

以下略



16: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 22:03:46.13 ID:8pdSuCqxo

 ありふれた人間模様の一環だった。

 だけど私は首を傾げた。

以下略



17: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 22:07:28.76 ID:8pdSuCqxo

 「ナイスキャッチ」
 「もう、投げないでよぉ、牧ぃ」
 「ごめんごめん」

以下略



18: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 22:08:52.19 ID:8pdSuCqxo

 「楽しいわね」

 ぽつりと穂乃香が言った。

以下略



19: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 22:10:19.52 ID:8pdSuCqxo

 「瑠々が、この世界に生まれてきてくれて、ありがとう……かな?」

 真面目な顔。その直後、ぶふっ、と彼女は噴き出した。満面の笑顔だった。

以下略



20: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 22:12:03.84 ID:8pdSuCqxo

 落ち着け、落ち着け、落ち着け、私。

 ――生まれてきてくれて、ありがとう。

以下略



21: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 22:13:14.83 ID:8pdSuCqxo

 「ヘーキ。なんでもないから」

 見ないでよ。そんなに綺麗な目で。

以下略



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