過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―4―
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969: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/12/24(土) 12:56:19.62 ID:S6YpyFGu0
 午前中はここまで

 ピエリ、誕生日おめでとう!


970: ◆P2J2qxwRPm2A[saga sage]
2016/12/24(土) 22:21:42.29 ID:S6YpyFGu0
◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 久々に早く起きました。
 時折の休みに主人が帰ってくるこの場所に未だに住んでいる私が、こんなに朝早く起きるのは久しぶりの事で、こうして目を覚ませられるものなんだなと思った。
 寝返りで乱れた髪を櫛で梳かし着馴れた服ではなく、今日のために準備してもらったディアンドルに袖を通す。
以下略



971: ◆P2J2qxwRPm2A[saga sage]
2016/12/24(土) 23:05:14.06 ID:S6YpyFGu0
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 その子は貴族のお嬢様で、大きな屋敷を持っている。その屋敷も今日だけは騒がしく、多くの装飾が施されていていつもとはまるで違う雰囲気を醸し出していた。
 馬を引き連れて私が至ると、門の前で待機している知り合いのメイドさんと目が合う。合ったと共にすぐさま深々とお辞儀されたので少しだけ戸惑った。いつもなら軽い会釈くらいなのだが、今日に限って来賓にする深々としたものだからだ。

以下略



972: ◆P2J2qxwRPm2A[saga sage]
2016/12/24(土) 23:10:18.16 ID:S6YpyFGu0
 今さっきの話、私が誕生日を知らなかったことであの子が得をするという意味だとは思うけど、一体何の得をするのでしょうか?

「……わかりません。そもそも、知らなかったことって結構失礼なことですよね……」

 それなりに交友がある人が自身の誕生日を覚えていなかったらと考えると、とても悲しいとは思う。なにせ、少しは期待したいものだと思うから、小さくてもいいからお祝いをしてもらいたいと思うのが、誕生日というものだろう。
以下略



973: ◆P2J2qxwRPm2A[saga sage]
2016/12/24(土) 23:22:43.47 ID:S6YpyFGu0
『まだ、まだなの。もう少し、もう少しなの―』

 中から可愛らしい声が聞こえる。耳を澄ませば衣擦れの音もするし、何やらパタパタと歩く音もした。朝からそんなに張り切る必要はないと思うんですが、やっぱり楽しみにしているということなんでしょう。少しだけ笑みをこぼして、私は扉を静かに開ける。中には下着姿で衣装鏡の前でてんやわんやしている子がいた。

「……まだ入って来ちゃダメなの、お洋服選び終わってないのよ」
以下略



974: ◆P2J2qxwRPm2A[saga sage]
2016/12/24(土) 23:28:12.28 ID:S6YpyFGu0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「そろそろ参加される方々がお見えになる時間でしょうか」
「多分そうなの。リリスは着付けお上手なの」
以下略



975: ◆P2J2qxwRPm2A[saga sage]
2016/12/24(土) 23:33:45.64 ID:S6YpyFGu0
 ピエリさんなりにこれだという服を選んでいるとは思う、すべてを着てから決めたいという思いはあるのだろうけど、やっぱり時間が押していた。選ばれた服のこの中で、一着だけが選ばれるとするなら、その服はすべての服の期待を背負っていくんだろう。正直、私はそういう立場に立つのは真っ平だなって正直に思った。
 そんなことを思った矢先――

「うー、リリスはどれがいいと思う、ちょっと選んでみてほしいの」

以下略



976: ◆P2J2qxwRPm2A[saga sage]
2016/12/24(土) 23:41:20.89 ID:S6YpyFGu0
 私の中にあるピエリさんのイメージは子供だった。自分よりも弱いものを殺していく残虐性は子供特有のものだし、あらゆる物事の受け止め方に遠慮がない子供そのものだから、それをイメージしていると純粋さというものを求めてしまう。
 だから、そのヒラヒラと揺れる白いレースの入った純白といっていいドレスがある意味私が抱くピエリさんのイメージそのもので、下着の黒は残虐性、上のドレスは物事に対して遠慮なしに対峙する姿勢と考えると、これかなと手を伸ばしていた。

「……これ、ですかね?」

以下略



977: ◆P2J2qxwRPm2A[saga sage]
2016/12/24(土) 23:45:21.83 ID:S6YpyFGu0
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「おおーっ、ピエリさん。いやいや、今年も一段とお美しくなられたことだ」
「ありがとうなの! 伯爵さんのおひげもこの前より、もっとキュートになってるの」
「ははっ、そう言われたくて朝から入念に仕上げたからね」
以下略



978: ◆P2J2qxwRPm2A[saga sage]
2016/12/24(土) 23:50:01.05 ID:S6YpyFGu0
「リリス、ピエリも手伝ったケーキなのよ。美味しいベリーを入れたから最高の味に仕上がってるの」

 案の定、それをピエリさんは誇らしく私に見せつけてくる。これがピエリさんの魅力だと思う。自分のしたことに自身を持っていること、私はそんなに自信家じゃないから、そんな風に思うことなんてできない。

「ふふっ、ピエリさんは本当に料理が上手なんですね。私じゃとても作れませんから」
以下略



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