過去ログ - 開かない扉の前で
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51:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 00:58:55.04 ID:btuqrQDio



 雨が少しだけ弱まったのを確認してから、わたしたちは園内を歩き回ってみることにした。 
 目的地はミラーハウス。
以下略



52:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 00:59:55.98 ID:btuqrQDio

 入り口からは細い通路のようになっていて、脇にはチケット売り場のようなカウンターがあった。
 わたしたちは当然のようにそこを素通りする。

「ケイくん、ねえ」
以下略



53:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 01:00:53.67 ID:btuqrQDio

 ケイくんは一度立ち止まって、わたしの方を見てから――どのわたしがわたしなのか分からなくなったみたいだった。

「ここ」

以下略



54:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 01:01:39.90 ID:btuqrQDio

「……どういうことかな」

 わたしの疑問はそのままに、今度はケイくんが口を開いた。

以下略



55:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 01:02:58.15 ID:btuqrQDio

「……ねえ、ケイくん、ミラーハウスって、迷路だよね?」

「まあ、そういう場合が多いだろうな」

以下略



56:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 01:03:24.42 ID:btuqrQDio

「……なにか、変じゃない?」

 わたしの声に、彼は静かに溜め息をついた。

以下略



57:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 01:04:58.62 ID:btuqrQDio

 既に目的は探検じゃなくて、出口を探すことになりつつあった。
 行き止まりから歩いてきたわたしたちだけど、一本道ばかりで、分かれ道なんて見つからなかった。
 いったい、どこから行き止まりに迷い込んだんだろう。また見逃してしまったんだろうか?

以下略



58:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 01:06:07.15 ID:btuqrQDio

「ここ、廃墟になってるとはいえ、取り壊しになってないだろ。
 なんでも元の持ち主が、いつか再建するつもりで所有したまま建物を残してるらしい。
 それで、アトラクションや建物を、たまに元の従業員が清掃したりしてるらしいんだ」

以下略



59:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 01:07:34.56 ID:btuqrQDio

 わたしは、声の方に向かってきたことを、徐々に後悔しつつあった。

 その声は、どこか変だった。

以下略



60:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 01:11:38.97 ID:btuqrQDio

 それなのにわたしは、迷路から出たのではなく、いま迷路に入ったかのような錯覚を覚えた。

 鏡の通路の向こうは、そっけない壁。そちらもまた、青白い照明で薄暗く照らされている。

以下略



61: ◆1t9LRTPWKRYF[saga]
2016/07/07(木) 01:12:44.66 ID:btuqrQDio
つづく

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