863:名無しNIPPER[saga]
2017/11/11(土) 00:14:56.81 ID:Ch5AfJxSo
◇[Monte-Cristo] R/b
864:名無しNIPPER[saga]
2017/11/11(土) 00:15:23.17 ID:Ch5AfJxSo
さっきまで、僕と話していた彼。
彼の名前は、なんというのだろう。
愛奈がこの世界にいる、と聞かされたとき、僕の頭を支配したのは一種の諦めだった。
865:名無しNIPPER[saga]
2017/11/11(土) 00:15:49.33 ID:Ch5AfJxSo
◇
川沿いの道をぼんやりと歩きながら、僕はこれまでのことを思い出そうとしていた。
866:名無しNIPPER[saga]
2017/11/11(土) 00:16:16.78 ID:Ch5AfJxSo
「少し、話そうか」と彼女は言った。彼女にしては、とても明晰な声音だった。
僕は返事をせずに、彼女の傍まで歩いていった。
867:名無しNIPPER[saga]
2017/11/11(土) 00:17:17.22 ID:Ch5AfJxSo
まるで裁判所みたいだ。
『タルトを盗んだのはあなた?』
868:名無しNIPPER[saga]
2017/11/11(土) 00:17:45.02 ID:Ch5AfJxSo
「僕には、何が正しくて何が間違ってるのか、もう分からない」
そんな、取るに足りない一言を、あさひはすぐに笑った。
869:名無しNIPPER[saga]
2017/11/11(土) 00:18:43.47 ID:Ch5AfJxSo
◇
そしていま、僕とあさひは夕日がさしこむ彼女の家のダイニングで差し向かいになってテーブルを挟んで座っている。
870:名無しNIPPER[saga]
2017/11/11(土) 00:19:11.42 ID:Ch5AfJxSo
床に投げ捨てた僕の鞄から、MDプレイヤーが顔を覗かせている。
スティングの例の曲を思い出す。
871:名無しNIPPER[saga]
2017/11/11(土) 00:19:49.14 ID:Ch5AfJxSo
「すみれは――」と、あさひは口を開いた。
「どうしたの?」
872:名無しNIPPER[saga]
2017/11/11(土) 00:20:17.50 ID:Ch5AfJxSo
「どうして……碓氷を刺したの?」
「どうしてだろうな」
873:名無しNIPPER[saga]
2017/11/11(土) 00:21:09.16 ID:Ch5AfJxSo
「遼一について、ほんのすこしだけ、わかったようなことを言ってもいい?」
「……どうぞ」
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