888:名無しNIPPER[saga]
2017/11/15(水) 23:53:51.13 ID:lNunJpruo
……必要としてくれる人がほしかった。必要としてくれる人が必要だった。
そうじゃないと自分が存在していていいのかわからなかった。
889:名無しNIPPER[saga]
2017/11/15(水) 23:54:17.11 ID:lNunJpruo
小夜啼鳥の童話を思い出す。
遠い遠い昔の話だ。
890:名無しNIPPER[sage]
2017/11/15(水) 23:54:56.00 ID:lNunJpruo
下働きの娘は侍従長をさよなきどりの元に案内し、その鳥に皇帝の前で歌うように説得した。
鳥はその言葉を受け入れる。
さよなきどりの歌声に、そのあまりのうつくしさに、皇帝の目からは涙があふれて止まらなかった。
891:名無しNIPPER[saga]
2017/11/15(水) 23:55:31.20 ID:lNunJpruo
小夜啼鳥。
さよなきどり。
よなきうぐいす。
ナイチンゲール。
892:名無しNIPPER[saga]
2017/11/15(水) 23:56:45.58 ID:lNunJpruo
きっと、気にしていない人なんてたくさんいる。
当たり前に、自分を許せる人、認められる人、そういう人もいる。
その人達なりの苦渋に悩まされながら、それはけれども、僕のそれとは、少し違うような気がする。
893: ◆1t9LRTPWKRYF[saga]
2017/11/15(水) 23:57:13.45 ID:lNunJpruo
つづく
894:名無しNIPPER[sage]
2017/11/16(木) 08:35:03.27 ID:fukESBRf0
おつです
895:名無しNIPPER[saga]
2017/11/17(金) 00:26:06.60 ID:yCFgfYGCo
◇
僕とあさひの間にそれ以上の会話はなかった。思考もまた、それ以上は続けられなかった。
虚ろに広い洋室のなかで、僕たちは向かい合って座ったまま目も合わせなければ言葉も交わさない。
896:名無しNIPPER[saga]
2017/11/17(金) 00:26:34.68 ID:yCFgfYGCo
◇
でもどこにも行き場なんてありそうにもなかった。
897:名無しNIPPER[saga]
2017/11/17(金) 00:27:19.20 ID:yCFgfYGCo
ひどく肌寒い。どこにも行き場がない。
結局僕はどこにもいけないままだ。
橋を越えた先に、昨日僕がはじめて人を刺した場所があった。
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