過去ログ - 飛鳥「理解(わか)ったよ……真実は都のものだ」【モバマスSS】
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1:1 ◆hJf93tAuuw[saga]
2016/07/12(火) 21:08:52.76 ID:gQuthCsR0
設定はモバマスの原作とアニメと二次もごちゃまぜなので
ノリと勢いでお楽しみください

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2:1 ◆hJf93tAuuw[saga]
2016/07/12(火) 21:11:04.14 ID:gQuthCsR0
「飛鳥ちゃん!」
塩見周子と何気ない雑談のつもりで出したキーワード

“開かずの間”

以下略



3:1 ◆hJf93tAuuw[saga]
2016/07/12(火) 21:12:48.13 ID:gQuthCsR0
「まぁ、都ちゃん的には気になる話だったかもなぁ」周子が軽やかに答える。
「最近、アイドルたちの間でまことしやかに噂されている話なんだけど、
 各部門が倉庫として使っている部屋が固まっている場所があるでしょ?」

「ええ、記憶しています」
以下略



4:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:15:17.63 ID:gQuthCsR0
微笑む周子と、依然として目をキラつかせる都をゆっくりと見た僕は、
十分に間を置いてから言った。
「鍵を失くしたはずのその部屋から、『物音を聞いた』という人物が一人いた。その人物はアーティスト部門の人だ。
 彼はロックバンドのギタリストで、オカルトとかそういったモノも好きな人らしい。
 普段からそういった冗談を口にする人だったから、初めはいつもの冗談だということで特に話題にはならなかった。
以下略



5:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:16:56.46 ID:gQuthCsR0
都は顎に手を当てて考え込む姿勢を見せた後、唸った。
「ふ〜む……名探偵か迷探偵か、私の名を売るチャンスなのは間違いないでしょう。
 ですが、いくつか質問がありますね」
次に都は、思い出したかのように姿勢を変え、顎を胸に付けるように俯き、後ろ手に組んで言った。
「物音とのことですが、具体的にはどういった音なんでしょう?」
以下略



6:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:18:02.59 ID:gQuthCsR0
「水を差すようだけど、僕だって非日常を覗ける機会だというなら喜んで参加したい。
 だが“開かずの間”の話を聞いて、都さんはただのオカルトだと思わないのかい?
 その様子は、かなり乗り気のように見えるが」

僕のこの疑問は、普段の僕のスタイルからすれば矛盾した発想だった。
以下略



7:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:19:16.62 ID:gQuthCsR0
僕は言った。
「確かにそうだが、それじゃあ、部屋に何も無かったら?」
「その時に初めて、幻聴の可能性を考えてみても遅くないでしょう。
 飛鳥くん、そういった先入観を満載して事件に挑む探偵はいないのですよ。
 そして更に言えば、データが出揃う前にあれやこれやと考えて憶測を述べるのも探偵的にナンセンス。
以下略



8:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:21:08.01 ID:gQuthCsR0
「CuP(キュートプロデューサー)なら、イエローリリーの3人組を迎えに行ったにゃ」


「CoP君は、営業で外回りをしているはずよ。その後の予定は二時間後にレッスンの付き添いで――」

以下略



9:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:23:03.07 ID:gQuthCsR0
僕も周子も息を飲んで止まった。
早速、“開かずの間”の謎の物音が聞こえてきたのかと思って気持ちが昂ぶった。
聴覚に意識が集中していくようだ。

すると、アイドル部門倉庫の中から、カサカサと乾いた音が、
以下略



10:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:24:45.50 ID:gQuthCsR0
部屋にはステンレス製だと思われる三段の背の高いラックがいくつか並んでいて、
棚の段には大小様々なダンボールがしまってあった。
ダンボールの分かりやすい位置に、内容物がマジックペンで書き込まれており、
どこに何がしまってあるのかは明白だった。
何より、この倉庫は思っていた以上に管理が行き届いている様子だ。
以下略



11:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:26:13.63 ID:gQuthCsR0
体感にしてたっぷり何十秒も経った気がしたとき、
「こ、これは壁ドンです!」
「違うの!」「違うんですッ!」
都の無慈悲な叫びと、それを否定するちひろと武内Pの叫びが重なった。

以下略



12:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:28:25.58 ID:gQuthCsR0
「……すみません」
この時までちひろと顔が近いままだった武内Pは、
謝りながらゆっくりと離れた。
「社会人としてお恥ずかしい場面をお見せしました……。
 職場で、というのもさることながら、
以下略



13:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:30:53.90 ID:gQuthCsR0
「お二人に聞きますが」場の混乱を収めようと、都もまた一回り大きな声で言った。
「この部屋に来てから、あちらのラックのダンボールを動かしたりしましたか?」
都は入り口に一番近いラックを指さした。

周子にからかわれて、青白くなっていたちひろと武内Pの顔はいくらか朱が戻っていた。
以下略



14:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:33:30.46 ID:gQuthCsR0
しっかり見て。
と言われ、僕もまじまじと一番手前のラックに入っているダンボール達を見た。
「んー……ここのラックは他のラックと比べて、あまり整理されていないように見える。
 宣材が入っている箱の隣は寝具が入っている箱で、その隣は『事務所雑具』と書かれている、
 雑具とは、ホワイトボード用のペンとかメジャーとかガムテープ、業者さんからもらったカレンダーとかのようだね。
以下略



15:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:35:08.29 ID:gQuthCsR0
ここで、意外にもちひろから声が挙がった。
「なるほど、つまりこのダンボールを棚に入れたとき、
 その作業者はそれに気付かないぐらい急いでいた。
 もしくは気にしていなかった……。
 もし武内く……プロデューサーさんなら――」
以下略



16:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:37:49.72 ID:gQuthCsR0
この質問にはちひろが答えた。
「最近……二カ月以上は誰も使ってないと思います。
 それこそ、先程“開かずの間”という言葉が出てきましたが、
 その時に鍵を失くしてしまったということもありましたので、
 こういう部屋の鍵を総務部から借りるときには
以下略



17:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:40:23.92 ID:gQuthCsR0
しかし、都は異を唱えた。
「勿論私も、鍵を使わずにこの部屋に入る方法を考えました。
 天井を見て下さい、換気扇が取り付けてあるだけです。
 そして、忍者屋敷のような反転する壁のような細工が施されているとは到底思えません。
 床面も同様です。
以下略



18:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:42:39.82 ID:gQuthCsR0
僕達は当初の目的を武内Pとちひろに話した。
“開かずの間”の究明に乗り出したこと、マスターキーで“開かずの間”に入るには、
二人のどちらかにマスターキーを借りてきて貰う必要があるということだ。

アイドル部門倉庫の不審な点が見逃せなかったのか、
以下略



19:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:45:06.90 ID:gQuthCsR0
先程より鮮明に目に映るようになった部屋の様子は、こうだ。

八畳間程の部屋で、窓は一切なく、
荷物と呼べるようなものも全くなかった。
何もない部屋だ。
以下略



20:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:46:43.90 ID:gQuthCsR0
「そうでしょうそうでしょう」都は満足そうに頷きながら、
入り口で屈みこんでポケットから虫眼鏡を取り出した。
そして、入り口から数歩程のところまでをじっくりと観察し始めた。

「都さん、確かホームズがそうするときは
以下略



21:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:48:38.84 ID:gQuthCsR0
「ちひろさんの疑問は最もです」都が続けた。
「もし誰かが気を利かせて掃除をしたのだとういうのなら、
 あそこの蜘蛛も掃除されていて然るべきです」

「まぁ、掃除する人も気持ち悪くてスルーしたんじゃない?」と周子が言った。
以下略



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