過去ログ - 【俺ガイルSS】かくして、彼と彼女の放課後は過ぎ去っていく
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2: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/18(月) 23:47:25.63 ID:s2t3tZ320

岐路というものは大なり小なりの違いはあれど確かに存在する。
人生は一本道には当然ならない。つまるところ日々選択と行動を繰り返しているのだ。

「わかったかね比企谷?」
以下略



3: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/18(月) 23:50:53.48 ID:s2t3tZ320

一般人とは違う特別な存在。スペシャリスト?いやヴェルタースオリジナルだ。
そんなアホな発想を機敏に感じ取ったのか、座ったまま腕を組んでこちらを見据える先生は眉を落として溜息を吐いた。

「だいたい世間一般のことはどうでもいい。君のことを話してるんだから」
以下略



4: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/18(月) 23:53:43.60 ID:s2t3tZ320

「奉仕部の方は?」

「最近行く機会減りましたから。特にどうとも。先生だって知ってるでしょう?」

以下略



5: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/18(月) 23:58:32.21 ID:s2t3tZ320

絶対捉えるとばかりに関節を鳴らす。一体なにを捉えるんですかねぇ。
指太くなりますよ?とか言ったら怒られそうだからやめておこう。しかし、かつての受験生も今やさしずめ呪拳聖といったところか。リアル結婚できない女になっちゃってますよ先生。

「まあ私の話はいいさ。これから予備校かね?」
以下略



6: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/19(火) 00:00:19.92 ID:CoRvTqH/0

「君はもう少しあの子のことをわかっていると思っていたが?」


勘違いかな?と言い添えて、今度は楽しそうに笑った。
以下略



7: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/19(火) 00:04:51.48 ID:CoRvTqH/0

先生は文字通り、お説教なんてどうでもよかったのかもしれない。
それでもあのやり取りで伝えたい何かが、推し量りたい何かがきっとあったのだろう。

春も過ぎ去った新緑の季節。立夏を飛び越した5月の初旬。
以下略



8: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/19(火) 00:06:20.02 ID:CoRvTqH/0

地面を蹴って漕ぎだす、その一瞬の浮遊感と頼りなさ。やがてぐっとペダルに力を入れればそんなものなどどこ吹く風で、自転車は安定して巡航していく。
朝まで降っていた雨の気配はすでになく、アスファルトに水たまりは残されていない。
ただ、未舗装地には未だ湿り気が多く含まれていて、そこにこの時期特有の南風が吹けばむわっとした土と緑の香りが漂う。

以下略



9: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/19(火) 00:07:52.47 ID:CoRvTqH/0

さてどうしようかと迷っていると、件の人物は後ろから迫る自転車の気配を敏感に感じ取ってしまったらしく、ちらと後ろを振り返る。
亜麻色の髪がふわりと揺れて、その髪の間からは少しだけ驚いたような表情を覗かせた。

「なんだ先輩じゃないですか」
以下略



10: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/19(火) 00:09:57.22 ID:CoRvTqH/0

そういうもんなの?しかしこんな簡単に気配を悟られるなんてな。我がステルスヒッキーも昔に比べると弱体化の一途を辿っているのがよくわかる。

「ていうか先輩?」

以下略



11: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/19(火) 00:11:20.20 ID:CoRvTqH/0

「無きにしもあらずだが、それは最終手段になる」

「はぁそうですか。先輩のことですからいまさら驚きませんけど」

以下略



12: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/19(火) 00:13:46.27 ID:CoRvTqH/0

受験生だから。それ以上の理由はないし、それを後ろめたく思う必要はない。
それでも、ひっかかりのようなものを覚えた。
これはきっと、そんな安易な大義名分にあやかり続ける自分に対する何かなんだろう。それを気取られぬよう矢継ぎ早に質問を飛ばすことにする。

以下略



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