過去ログ - 【俺ガイルSS】かくして、彼と彼女の放課後は過ぎ去っていく
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6: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/19(火) 00:00:19.92 ID:CoRvTqH/0

「君はもう少しあの子のことをわかっていると思っていたが?」


勘違いかな?と言い添えて、今度は楽しそうに笑った。
以下略



7: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/19(火) 00:04:51.48 ID:CoRvTqH/0

先生は文字通り、お説教なんてどうでもよかったのかもしれない。
それでもあのやり取りで伝えたい何かが、推し量りたい何かがきっとあったのだろう。

春も過ぎ去った新緑の季節。立夏を飛び越した5月の初旬。
以下略



8: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/19(火) 00:06:20.02 ID:CoRvTqH/0

地面を蹴って漕ぎだす、その一瞬の浮遊感と頼りなさ。やがてぐっとペダルに力を入れればそんなものなどどこ吹く風で、自転車は安定して巡航していく。
朝まで降っていた雨の気配はすでになく、アスファルトに水たまりは残されていない。
ただ、未舗装地には未だ湿り気が多く含まれていて、そこにこの時期特有の南風が吹けばむわっとした土と緑の香りが漂う。

以下略



9: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/19(火) 00:07:52.47 ID:CoRvTqH/0

さてどうしようかと迷っていると、件の人物は後ろから迫る自転車の気配を敏感に感じ取ってしまったらしく、ちらと後ろを振り返る。
亜麻色の髪がふわりと揺れて、その髪の間からは少しだけ驚いたような表情を覗かせた。

「なんだ先輩じゃないですか」
以下略



10: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/19(火) 00:09:57.22 ID:CoRvTqH/0

そういうもんなの?しかしこんな簡単に気配を悟られるなんてな。我がステルスヒッキーも昔に比べると弱体化の一途を辿っているのがよくわかる。

「ていうか先輩?」

以下略



11: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/19(火) 00:11:20.20 ID:CoRvTqH/0

「無きにしもあらずだが、それは最終手段になる」

「はぁそうですか。先輩のことですからいまさら驚きませんけど」

以下略



12: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/19(火) 00:13:46.27 ID:CoRvTqH/0

受験生だから。それ以上の理由はないし、それを後ろめたく思う必要はない。
それでも、ひっかかりのようなものを覚えた。
これはきっと、そんな安易な大義名分にあやかり続ける自分に対する何かなんだろう。それを気取られぬよう矢継ぎ早に質問を飛ばすことにする。

以下略



13: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/19(火) 00:15:53.94 ID:CoRvTqH/0

「いやなに、お前のそういうのにもだいぶ耐性ができてきたというかな。つーか引っ張るのやめろ」

「えーつまんないです」

以下略



14: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/19(火) 00:18:00.45 ID:CoRvTqH/0
俺が振られるのはお約束というか予定調和というかもう慣れてしまったから別にいいけれども。いや、いいのか?

その後も他愛もない軽口を叩き合いながら、夕陽が照らす新緑の下を歩く。
向かう方向は一緒だし、なんとなく別れを切り出すタイミングを逸してしまったというのが多分にあったが、木漏れ日が途切れて程なくすると稲毛海岸駅が見えてきた。

以下略



15: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/19(火) 00:19:19.07 ID:CoRvTqH/0

「買い出しです。実は生徒会とサッカー部の備品で何点か購入しなきゃいけないものがありまして」

記録用のノートとかー、テーピングとかー、新しいアイシング用の氷嚢とかー、と買うべきものを指折り思い浮かべながらつらつらと一色は話す。
なるほど、一色が今日早く帰る理由はこれだったか。備品を購入してそのまま直帰ということだろう。
以下略



16: ◆.XibMUKIvI[saga]
2016/07/19(火) 00:22:29.16 ID:CoRvTqH/0

うまいこと返したつもりなのか、したり顔でにっこり目を細める一色を見つめる。こいつの気持ちねぇ……。

「あれだろ? 荷物が多そうだから人手が欲しいんだろ」

以下略



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