100: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/16(火) 06:25:24.78 ID:gqYGk2WU0
動画を眺めて、千川さんの言う無難の意味が理解できた。俺の用意した演出では、安定感は増しても驚きや目新しさは感じないだろう。
「わからん」
唸りながらデスクに突っ伏す。
101: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/16(火) 06:32:15.94 ID:gqYGk2WU0
昼休みは外に出てみることにした。
気分転換と気晴らしだ。カフェテラスあたりで昼食を済ませてから散歩でもしよう。
ロビーに降りる。
102: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/16(火) 06:33:43.20 ID:gqYGk2WU0
「プロポーズとプロデューサーって似てるよねっ! つまりはプロポーズ?」
「うん、似たようなものだからね。それで、用件は?」
「うーんとね……お腹すいたー! ねえねえ、ご飯食べに行こうよー?」
103:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/17(水) 01:05:24.52 ID:CNrY6hr60
3人とキャッキャしてるPを見ていると、
なんとなく柱の陰からこちらを見ている速水さんを想像してしまう
指輪ではなく首輪をかけられる展開…ないか
104: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/17(水) 10:28:26.37 ID:90KdAnqB0
「で、塩見さんと一ノ瀬さんはなにか用あるの」
サンドイッチを食べ終わった俺は、浮かんでいた疑問を投げかけた。威圧的にならないよう気をつけて。
塩見さんはんー、と気怠げに微笑んだ。
105: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/17(水) 10:29:54.49 ID:90KdAnqB0
塩見さんはにやっと口角を上げる。偽悪的に見えた。
「ダメだった? もしかして怒ってるー?」
「んー、ごめん。べつに責めてるつもりはないんだよ。純粋に気になっただけでね」
106: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/17(水) 10:31:47.69 ID:90KdAnqB0
雰囲気を察したのか、塩見さんと一ノ瀬さんはおとなしくなった。
「どうかな。月を描くには地球からの方がいいと思うんだ」
「えー、でもそれは誰にでもできるよね? プロデューサーさんにしか見えない景色ってあるんじゃないのかなー」
107: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/17(水) 10:34:02.21 ID:90KdAnqB0
言葉を選んでいると、一ノ瀬さんはうーん、と唸った。
「アタシはキミの言いたいことわかるよ。感情とは切り離された問題なんだよね」
「まあね。でも行き詰まってるのも事実なんだよ」
108: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/17(水) 10:39:12.85 ID:90KdAnqB0
パソコンに向かうと指は動く。
頭に浮かんだアイデアを結びつけていくだけで、自然と企画書は形になっていった。
結局、その日は残業をして完成させた。
109: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/17(水) 10:57:44.90 ID:90KdAnqB0
誰もいない休憩スペースの、窓際のソファに隣り合って腰を下ろす。
窓の外には夕焼けが広がっていた。
紅く照らされた速水さんは儚げで、今にも消え入りそうな気がして不安になる。感傷的になっているのかもしれない。
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