112:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 21:22:47.00 ID:D33bbYIF0
一番近い高校、というのは、言わずもがな、俺たちが通っている学校だった。
あんな歳(小六と言ってたっけ)の子が、高校に何の用があるんだろう。
もしかして、あまりにも勉強ができすぎて、高校に編入したい、とでも言うのだろうか。
113:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 21:25:34.49 ID:D33bbYIF0
公園に入ると、いつも座るベンチの真向かいにある、少し小高くなっている場所に、子供会の班長か何かだろうか、しっかりしてそうな子がラジオをセットして準備をしていた。その周りに、ちらほらと七、八人。
あの中に入るのか、と気後れしていると、イチがベンチに腰掛けた。
「ここでしようよ」
114:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 21:29:09.69 ID:D33bbYIF0
「あ、ねえちゃんからLINEだ」
イチがそう言いながらスマホを取り出したので、俺のスマホも見てみると、二分前にメッセージが届いていた。……全然気付かなかった。
『ちっさい女の子みなかった?』
115:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 21:32:41.93 ID:D33bbYIF0
ねえちゃんの家を知らないけど、家出をしてこの近くまで来ている、従姉妹。
道がわからないので、高校までの道のりを教えて欲しい、と、麦わら帽子の女の子。
「……俺、さっき見たかも」
116:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 21:36:04.74 ID:D33bbYIF0
学校には、夏休みだというのに、思ったよりもたくさんの人がいた。
イチに麦わら帽子の女の子の服装を簡単に教えて、校門で別れる。
まず、グラウンドでイケメン君。
117:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 21:37:32.37 ID:D33bbYIF0
他に知り合いがいないか考えて、自分の友達の少なさに愕然とする。
ほとんど同級生の知り合いなんていないな。
先輩や後輩なら、まだ……
118:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 21:41:13.42 ID:D33bbYIF0
「緊急事態」
ねえちゃんは口を開いた。
119:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 21:44:28.52 ID:D33bbYIF0
「なんでウチの駅で降りたの? もう何駅かいけば、街中に出るのに……」
確かに、ここから電車で一時間ちょっと揺られれば、地方都市の街中に出る。
そこまで行けば、高い建物もあるし、歩き回っても畑なんて見当たらない。
120:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 21:52:03.06 ID:D33bbYIF0
他のサッカー部と同じように、ランニングをしてきたのか、少し汗をかいている。
……の、少し離れた後ろに、女の子が一人。
121:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 21:54:43.97 ID:D33bbYIF0
ねえちゃんはぐりぐりと麦わら帽子を撫でた。
その後、ねえちゃんは、女の子の親に連絡を入れて、家へと帰った。
とりあえずは見つかってよかった。
122:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 21:57:45.31 ID:D33bbYIF0
肩まで伸びた髪をなびかせながら、こちらに歩み寄ってくる。
……あれ? どうしてこなたは見つかったことを知ってるんだろう?
さっきあの場にいたっけ?
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