305:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:40:32.05 ID:ilA7zgD60
でも、夕陽のせいか、イチの耳が、少し赤く染まって見える。
少し見えるその顔も、夕陽のせいで赤みを帯びている。
それを見て、また、
しつこいようだけど、また俺の心臓は激しく鼓動を打つ。
306:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:41:54.85 ID:ilA7zgD60
イチが、
深呼吸をしたのを、見て、
ーーあぁ、逃げられるかな、と思って、
307:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:42:49.84 ID:ilA7zgD60
「……もう一回言って」
イチが小さな声でそう呟いた。
「いや」
308:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:44:05.22 ID:ilA7zgD60
次の日は、驚くほど目覚めが良かった。
こんなに清々しい朝があるとは思ってもいなかった。
昨日のことを思い出して、思わずニヤける。
309: ◆1HYehGkP635v[saga]
2016/08/29(月) 00:51:38.78 ID:hWTEXAWe0
そのあとの夏休みは、あっという間に、と言うほどでもなく、そこそこの早さで、淡々と終わっていった。
いつも通り、みんなで集まって、だらだらしたり、騒いだり。
たまにイチと二人きりになることがあったけど、だからと言って何か変わった話をするわけでもないし、何をするわけでもない。
310: ◆1HYehGkP635v[saga]
2016/08/29(月) 00:53:08.02 ID:hWTEXAWe0
夏休み最後の日、ユウキとイケメン君と予定を合わせて、バーベキューをした。
三人で朝からスーパーに繰り出して、安い肉を買い漁った。
調理が面倒くさいので野菜は買わなかった。
311: ◆1HYehGkP635v[saga]
2016/08/29(月) 00:54:13.84 ID:hWTEXAWe0
そういえば、ねえちゃんにアイスを買ってもらったりもした。
「いつかの約束」
「覚えてやがったか」
312: ◆1HYehGkP635v[saga]
2016/08/29(月) 00:55:57.36 ID:hWTEXAWe0
学校が始まって、当然部活も始まる。
と言っても、何をするわけでもないし、何が変わったわけでもない。
前より少しみんなと仲良くなっただけで、だからと言って部活が忙しくなったり、サボったりするようになったことはない。
313: ◆1HYehGkP635v[saga]
2016/08/29(月) 00:57:12.98 ID:hWTEXAWe0
それからしばらく経ったある日の放課後、俺は部室に行く前に、渡り廊下に寄った。
言うまでもなく、こなたがいた。
「やあー」
314: ◆1HYehGkP635v[saga]
2016/08/29(月) 00:58:56.95 ID:hWTEXAWe0
堪えきれないというように、思いっきり笑った。
「え、え?」
戸惑う。違ったのか。
315: ◆1HYehGkP635v[saga]
2016/08/29(月) 01:00:26.10 ID:hWTEXAWe0
「なら、お前は何者なんだ?」
「まあ、少なくとも、人間では、ありませんねー」
こなたは当たり前のように、重大なことをサラッと言った。
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