過去ログ - 女「今の君を教えてよ」
1- 20
20: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/29(月) 06:40:04.98 ID:ODEI0euO0
男「本当か?」

女「もちろん!」

男「お前はなんでそんなにも俺に手を差し伸べようとするんだ。何か理由があるとしか思えないけど」
以下略



21: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/29(月) 06:51:46.75 ID:ODEI0euO0
女「男君、今まで生きてきた中で、夏の思い出ってある? 凄いところに行ったとか、衝撃的な出来事があったとかじゃなくても、なんとなくこれだけは忘れられないなって思い出」

中心街のショッピングモールの小窓に展示された洋服をまじまじと見つめながら女は言った。

男「んー……。鮮明に覚えてるわけじゃないけど、そういう思い出はあるよ。ずっと昔の話だけど」
以下略



22: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/29(月) 07:01:18.95 ID:ODEI0euO0
小さな川が流れるのどかな土手に二人の男は寝そべっていた。二人とも空間を見つめて、呆然としていた。

男B「なぁ、男っていいやつだったよな」

静寂を切り裂いて、男Bがぽつりとこぼした。
以下略



23: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/29(月) 07:08:59.32 ID:ODEI0euO0
夕暮れが街並みを染めはじめると、辺りには次第に静寂が訪れ始めた。廃れた地元の公園のベンチに腰掛ける二人。服の内側からジワリと滲む汗と、心地の良い風。夏の夕暮れを男は直に感じていた。

男「なんか、懐かしいなこの感じ。夏の夕方に友達とベンチで話すなんてもう一生ないと思ってた」

女「友達……?」
以下略



24: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/29(月) 07:18:20.79 ID:ODEI0euO0
寝て起きたらまた来ます


25:名無しNIPPER[sage]
2016/08/29(月) 09:01:09.78 ID:CDqkU+020
おはよう
起きて


26: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/31(水) 01:42:03.85 ID:ryABOIXv0
男「俺の過去の話は全部知ってるのか」

女「うん。大体聞いたよ。君は最低だって思った」

男「そっかり俺はあのとき最低なことをした。それは時間が経ったいまでも変わらない」
以下略



27: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/31(水) 01:47:45.54 ID:ryABOIXv0
男「……」

次第に辺りの街灯がぽつりぽつりと明かりを灯し始めた。依然として公園は閑散としていた。

女「……」
以下略



28: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/31(水) 02:02:15.64 ID:ryABOIXv0
その日からの夏休みは特に変わり映えのないものだった。女が男の家に訪れることもなかった。迫ってくる新学期に向けて、積もりに積もっている課題を消費することが、男の夏休みの過ごし方であった。無心で作業を行うことによって、自分への嫌悪や葛藤を紛らわすことができたし、現実から遠ざかれるような気がした。
生き生きと緑の外装に光沢を放っていた葉は、秋を感じさせる色合いへと衣替えを始め、長いようで短い夏休みはとうとう終わりを迎えた。肌寒い風を肌で感じながら、高校生はせっせと学校に通い始めた。

女「やあ。この前会ったときは煮えるんじゃないかってくらい暑かったのに、気づいたらもう肌寒くなってきたねー」

以下略



29: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/31(水) 02:14:00.35 ID:ryABOIXv0

男はほっとした。あの日以来一度も顔を合わせてなかったし、あの日の別れ方はなんとなく尾を引きそうだったが、思っていたよりも自然に女と会話ができたからだ。こころなしか、女もそのことで満足気な表情をしている気がした。

男「学校近づいてきたら、俺から離れろよな。男Aが心配するぞ」

以下略



30: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/31(水) 02:18:54.57 ID:ryABOIXv0
登校の時の女との会話以外、その日学校で男が誰かと会話することはなかった。女も気を使ってか、学校にいるときは話しかけて来なかった。
放課後、下駄箱をあとにしようとした時に、男は後ろから呼び止められた。男A、男B、女Aの三人が横に並ぶようにして佇んでいた。

男「ど、どうしたんだ」

以下略



64Res/42.72 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice