過去ログ - 【デレマスSS】あなたの温度【藤原肇】
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名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/15(木) 23:40:48.42 ID:IDZYafcJ0
シンデレラガールズの藤原肇SSです。二作目です。
纏めて頂く前提で投稿しますので、スレッド形式では少々読みにくいかもしれません。
前作(名前の無いファンレター)後の話ではありますが、今作から読まれても大丈夫です。
大丈夫です(念押し)。
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2
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/15(木) 23:42:21.40 ID:IDZYafcJ0
「ケホッ、コホッ…うぅー…」
発熱、咳、頭痛、のどの痛みに全身のダルさ。典型的な風邪の諸症状。
起きた時から調子がおかしくて、熱を測ってみると驚きの38℃。
測りなおしても変わらないその数字を見ると、余計に調子が悪くなるような気がした。
寮母さんに連れて行ってもらった休日診療所で風邪とのお墨付きを頂き、薬を飲んで安静にしておくように、とお達しを受けた。
以下略
3
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/15(木) 23:43:14.90 ID:IDZYafcJ0
実家に居た頃に風邪をひいたことは勿論あるが、上京してから体調を崩すのは初めてだ。
これまでは寝込んでいても傍に家族がいてくれたし、こんなに心細くなることはなかった。
寮母さんは何かあったらすぐに声をかけるように、と言ってくれていたけれど、毎日寮の掃除や料理などを一手に引き受けてくれている寮母さんに迷惑はかけたくない。
「…うん、寝よう」
もらった薬の朝の分は飲んだし、お昼ご飯は入りそうにない。
以下略
4
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/15(木) 23:44:16.58 ID:IDZYafcJ0
「………ゴホッゴホッ!…?…あー、そっか、寝込んでるんだった…」
時計を見ると、長針は一周もしていなかった。
寝つきが悪かったことも考えると、30分程度しか眠れていないかもしれない。
眠るにも体力が必要なんだ!と熱弁していた杏ちゃんの話は正しいのかも。
でも眠ることを体力トレーニングと主張するのは無理があると思うなー、などと熱っぽい頭でボンヤリと考えていると、ノックの音がした。
以下略
5
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/15(木) 23:45:07.67 ID:IDZYafcJ0
布団に戻るよう促され、再度横になった私の傍にちょこんと座る芳乃ちゃん。和服姿のためだろうか、正座がとても絵になる。
「調子のほどはいかがでしてー?」
「少し眠ったんだけど、あんまり良くないかな…ケホッ」
「寮母さんからお話は伺いましたー。風邪のときには果物を取るとよいかと思いましてー。食べられそうにないならば無理はしませぬようー」
「ありがと、お昼は入りそうになかったけど、果物なら食べられるかも」
以下略
6
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/15(木) 23:46:52.07 ID:IDZYafcJ0
「ほかにも果物はありますがー、もうよろしいのでー?」
「うん、まだ食欲はあまりなくて…」
それにこれ以上“あーん”をしてもらうのは気恥ずかしい。
食欲がないのも本当だけど。
「ではお薬をばー。お白湯を持ってまいりますー」
以下略
7
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/15(木) 23:47:51.92 ID:IDZYafcJ0
1時間ほどお喋りをして、そろそろぷち女子会もお開きかな、というタイミングで、芳乃ちゃんは爆弾を放り込んできた。
「なるほどー、今は体の調子を崩してはおりますがー、最近そなたを悩ませていたことは解決したようでー」
思わず硬直してしまう。
確かについ先週まで思い悩んでいたことがあった。
「…えっと、もしかして私って、物凄く分かりやすかったりするのかな?」
以下略
8
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/15(木) 23:48:33.51 ID:IDZYafcJ0
「それではわたくしはこれにてー」
「うん、今日は本当にありがとう」
それから少し話した後、芳乃ちゃんを見送り、また布団に横になる。
のどの痛みは随分取れたし、もしかしたら熱も下がってきているかもしれない。
借りておいた体温計を腋に挟み、計測を待ちながらさっき芳乃ちゃんに言われたことを思い出す。
以下略
9
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/15(木) 23:50:14.04 ID:IDZYafcJ0
夕方に流れるチャイムの音で目が覚めた。
「…のど乾いた…」
のろのろと起きて冷蔵庫の麦茶を飲むと、少し気分がスッキリした。
汗をたくさんかいたおかげか、熱は随分下がった気がする。
体温計を手に取ろうとすると、携帯電話が点滅しているのに気が付いた。
以下略
10
:
名無しNIPPER
[sage]
2016/09/15(木) 23:50:58.35 ID:6KMZmKNf0
行間空けてくれ
11
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/15(木) 23:51:35.29 ID:IDZYafcJ0
「ごめんね、急に押しかけちゃって」
「ううん、わざわざありがとう。すれ違いにならなくて良かった」
「ちょうど女子寮に着いたところだったからねー、ナイスタイミングだったよ。あ、冷蔵庫開けていい?スポーツドリンクやプリンやヨーグルトなんか買ってきたんだ。風邪の時には食べやすいものを食べて、水分をしっかり摂るのが大事だからね」
事務所でPさんとちひろさんが私の体調について話しているのを聞いて、お見舞いに来てくれたらしい。
私は本当に仲間に恵まれていると思う。
以下略
12
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/15(木) 23:52:19.45 ID:IDZYafcJ0
>>10
あー、やはり読みにくいですかね…了解です
13
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/15(木) 23:53:17.93 ID:IDZYafcJ0
「声はそんなに枯れてないし、鼻声でもないみたいだね。熱はどう?」
「昼過ぎには38度くらいあったけど、そのあとたくさん汗をかいたからかな、少し下がったと思う」
改めて体温計で測ってみると、37.3℃だった。
以下略
14
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/15(木) 23:54:35.49 ID:IDZYafcJ0
「それじゃあ背中から拭いていくね。痒いところはございませんか?」
「温かくて気持ちいいけど、恥ずかしいよ…」
「あはは、いいじゃん女の子同士なんだから。それに肇は普段から一人で頑張りすぎちゃうみたいだから、風邪の時くらい周りに頼ってもいいんじゃない?」
以下略
15
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/15(木) 23:55:29.53 ID:IDZYafcJ0
部屋に再度上がってもらった加蓮ちゃんにお喋りに付き合ってもらう。
治りかけとはいえ、風邪を移してしまわないかは心配だったが、加蓮ちゃんの好意に甘えさせてもらうことにした。
「それにしても肇が風邪をひくなんて珍しいよね」
以下略
16
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/15(木) 23:57:07.63 ID:IDZYafcJ0
加蓮ちゃんの電話は少し長引いているようだ。
のどが渇いたので、差し入れに貰ったスポーツドリンクを飲んでいると、ドアが控えめにノックされた。
「はーい、開いてますよ」
以下略
17
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/15(木) 23:58:03.49 ID:IDZYafcJ0
「寮母さんと北条から少し話は聞いたよ。体調は落ち着いてきてるみたいだな」
「はい、のどの痛みはもうありませんし、熱も明日には落ち着くと思います」
「それは何よりだ。ただ、明日の予定はもう変更させてもらったからな。学校に行けるかの判断は肇に任せるから、仕事は明日まで休むように。もしも明日になってまた体調が悪化していたら、すぐに教えてくれ」
以下略
18
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/15(木) 23:58:46.47 ID:IDZYafcJ0
昨日のお仕事は美しい水辺での撮影で、場合によっては雑誌の一面を飾らせていただける、というものだった。
とても綺麗な衣装だったし、私も久しぶりに心から集中して取り組めたおかげか、撮影後に見せていただいた写真は我ながら会心の出来栄えだった。
それが嬉しくて、水に濡れた衣装を撮影後もしばらく着ていたためか、あるいは緊張の糸が少し緩んでしまったのか、今日の体調に至るわけである。
以下略
19
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/15(木) 23:59:34.49 ID:IDZYafcJ0
そうこうしているとドアがノックされる音が響き、これ幸いとPさんが立ち上がった。
どうやら相手は寮母さんのようだ。そういえばそろそろ夕食の時間になる。
「寮母さんがおかゆを持ってきてくれたぞ。食欲はあるか?」
以下略
20
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/16(金) 00:00:05.78 ID:k9lsX6G10
『そなたに頼ってもらえるのはー、とても喜ばしき事ですのでー』
『風邪の時くらい周りに頼ってもいいんじゃない?』
21
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/09/16(金) 00:00:36.94 ID:k9lsX6G10
「あっ、あの!」
「ん?どうした?」
「…おかゆ…食べさせてください…」
以下略
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