10: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:26:18.47 ID:UB/pX29A0
「仁奈ちゃん、仁奈ちゃんさえよければまゆの部屋に来ますか?こんな状態じゃ帰っても大変でしょうし……」
「えっ!?いいんですか!?」
「もちろんですよぉ。それにまゆも今日は予定がなくなっちゃったので暇してましたから」
「やったー!まゆおねーさんと一緒だー!」
11: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:27:06.64 ID:UB/pX29A0
事務所から女子寮はそこまで距離が離れているわけではない。歩こうと思えば少し時間はかかるものの不可能ではなかった。
つまりタクシーを使った寮までの移動時間は短いものであった。
「わぁ、すげぇひれーお風呂だー!」
12: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:28:33.74 ID:UB/pX29A0
まゆは脱衣所に着くと急いで服を脱ぐ。そのまま身体にタオルを巻いて、浴場へ足を踏み入れた。
この浴場は女子寮ということもあってか、設備も広さも申し分ないほど整っていた。年頃の少女達にとってそれは非常にありがたいことである。
「さて、仁奈ちゃんは……」
13: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:29:50.02 ID:UB/pX29A0
仁奈ほどではないが彼女も雨と寒い外気に晒され続けていたたせいで身体が冷え切っていたのだ。
しかし、仁奈のことに精いっぱいで自分のことを気にかけていなかったせいか、お湯を浴びて漸く身体の状態に気が付き、自分のことながら少し驚いた。
「だいじょうぶでごぜーますか?」
「え?」
14: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:30:46.21 ID:UB/pX29A0
まゆはそれを見届けると仁奈の後ろに膝立ちの姿勢で座り込む。
「じゃあ、身体を洗いましょうか。仁奈ちゃんは前のほうをこれで洗ってください。背中のほうはまゆが洗いますから」
そういってボディシャンプーをつけたタオルを仁奈に渡す。仁奈は元気よく返事をするとゴシゴシという擬音がぴったしのように身体を拭きはじけた。
15: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:31:47.25 ID:UB/pX29A0
そのまま元気よく湯船に駆け寄っていく姿を想像していたまゆだったが、仁奈は何故か立ち上がらなかった。
もしかして意外と痛かったかと嫌な予感が胸をよぎったが仁奈は全く別のことを考えていた。
「仁奈もしてーです」
「えっ?」
16: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:32:49.26 ID:UB/pX29A0
「まゆおねーさん、どうですか?」
「とっても気持ちいいですよ。ありがとうございます」
「ほんとですか!?ならよかったでごぜーます!」
まゆは仁奈が背中を洗っているうちに後ろに飛ばないように器用ながら簡単に髪を洗うと、次に身体の正面も洗っていく。
17: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:33:29.20 ID:UB/pX29A0
「あ、終わったんだ!」
「美穂おねーさん!」
「あ、仁奈ちゃん。滑ったら危ないですからゆっくりいきましょう」
まゆに制止されて仁奈は駆け出しそうになっていた姿勢を整え歩き出す。そのまま美穂の浸かっている湯船にゆっくり入ると、ふぁぁと気持ちよさそうな声をあげる。
18: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:34:10.04 ID:UB/pX29A0
「へぇ、それで……」
「流石に一人になるとわかっていて帰すわけにもいきませんでしたし……」
「うーん、そうだよね……あ、でも連絡とかプロデューサーさんにしないとね。ってまゆちゃんならもうしてるかな」
「…………」
「まゆちゃん?」
19: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:35:09.03 ID:UB/pX29A0
「ふぅ、いいお湯でしたね……」
「ぽかぽかでごぜーますー」
「ドライヤー熱くないですか?」
「だいじょうぶでごぜーます!」
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