13: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/21(金) 06:28:59.71 ID:KNNRsk+y0
二人の立つアスファルトで舗装された道路と、田んぼから続くあぜ道が交差する小さな十字路。
少し開けた広場になっているその場所に、ぽつねんと立つ古びた街灯。
そしてその下にはもう一つ、赤く、丸い提灯の明かり。
14: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/21(金) 06:30:41.34 ID:KNNRsk+y0
二人が今いる道路の傍に、民家はただの一軒も見当たらない。
ほんの少し前ならば(丁度、二人でタクシーを降りた辺りだ)、何軒かの住宅が道沿いに並んでいはしたが……。
今、二人の周りにあるのは延々広がる田んぼの他に、道路脇に続くなだらかな斜面をうっそうと覆う雑木林だけ。
15: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/21(金) 06:32:05.24 ID:KNNRsk+y0
――……しかし、それでも道の先にある広場には、未だ提灯の丸い明かりが灯ったままだ。
その存在が、夢や現で無いと言うように。
「……怖いんですか、プロデューサー」
16: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/21(金) 06:33:11.52 ID:KNNRsk+y0
「きっと近所の人が趣味でやってるとか、そういった隠れ家的なお店なんですよ」
「……だから大丈夫だって言うんですか?」
17: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/21(金) 06:35:20.71 ID:KNNRsk+y0
「このまま道を引き返し、回り道しようものなら今晩の晩酌はお預けです。で
も、屋台を素通りして宿に戻っても、待っているのは缶のお酒と肴代わりのお菓子だけ」
中指をゆっくりとたたみながら話す彼女の両目には、「絶対に飲む」という、強い決意が見て取れた。
18: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/21(金) 06:37:12.70 ID:KNNRsk+y0
「……本当に、チラッと覗くだけですからね」
「ふふっ、勿論ですとも」
19: ◆Xz5sQ/W/66[sage]
2016/10/21(金) 06:38:18.80 ID:KNNRsk+y0
とりあえずここまで。
20:名無しNIPPER[sage]
2016/10/21(金) 09:34:05.23 ID:yJXdx54T0
乙
こいこいシンデレラで楓さんが無双する話かと思ったら違った
21:名無しNIPPER[sage]
2016/10/21(金) 13:00:22.87 ID:BdiutnPFO
ウサミン星の罠だよそれは
22:名無しNIPPER[sage]
2016/10/21(金) 20:49:00.78 ID:wJSPwBQ2o
乙
23: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 08:51:48.34 ID:uhMwzG8T0
===
古びた街灯の黄色味がかった明かりの下、まるでスポットライトに照らし出されるように存在していたその屋台は、
二人との距離が近づけば近づくほど、その外観をハッキリと確認すればするほどに、どんどんとその怪しい雰囲気を増していく。
そんな風に、楓の後をついて歩くプロデューサーには思われた。
60Res/49.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。