過去ログ - 高垣楓「夢と現を、月見で一杯」
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24: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 08:52:42.39 ID:uhMwzG8T0

「私時々、お仕事中の貴方とそうでない時の貴方、どちらが本当のプロデューサーか聞きたくなります」

「どっちも。ただ、勝手の違いに戸惑ってるんです」

以下略



25: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 08:54:19.44 ID:uhMwzG8T0

「じゃああの写ってる人影は? 何人かいるようなのに、話し声すら聞こえない」

「それは皆、食事に夢中なんですよ。それこそ、お喋りする間も無いくらいに」

以下略



26: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 08:55:59.55 ID:uhMwzG8T0

 楓を説得することを今度こそ諦めたプロデューサーが、悪あがきにも似た皮肉を込めてそう言った。
 
 すると楓は、何を言ってるんですかと言わんばかりの顔でプロデューサーを見つめると、
「だって、貴方と一緒ですから」と答えたのだ。それもさも当然、当たり前だと言った調子で。
以下略



27: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 08:57:45.29 ID:uhMwzG8T0

 何だかんだと御託を並べても、プロデューサーだって一人の男。
 素直に喜べない条件付きでも、美人に頼られて悪い気はしない。

 ……そんな乗せられやすい自分にたいして、呆れたように苦笑する。
以下略



28: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:00:03.59 ID:uhMwzG8T0
=・=

 カウンターの向こう側。老木のような顔をした、見た目の割に恰幅の良い老人が、
 やって来た二人を「いらっしゃい」と出迎えた。

以下略



29: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:01:23.86 ID:uhMwzG8T0

「お隣どーぞ、お二人さん」

「あ……どうも」

以下略



30: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:03:00.94 ID:uhMwzG8T0

 老人の答えに、楓がプロデューサーの方を見た。
 その顔にはデカデカとした大きな字で「困った」と書いてある。

 とはいえ、別に楓の質問の仕方が悪かったというわけではない。
以下略



31: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:04:52.90 ID:uhMwzG8T0

 それにもう一つ……プロデューサーにはこの屋台の奇妙さとは別に、気になっていることがある。

「あの、お客は俺たちだけなんですか? 外から見た時は、もう二、三人いたように見えたんですけど」

以下略



32: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:06:37.84 ID:uhMwzG8T0

 ――……外から見た人影が単なる見間違いだったとして、すると今度は、
 相席した少女の存在が気になりだしてしまうのは、ある意味で詮索好きで臆病な人の性だと言える。

 不安な状況に置かれた人は、目につく限りの疑問にたいし、
以下略



33: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:08:19.74 ID:uhMwzG8T0

「プロデューサー?」

 不意に声をかけられて、プロデューサーが我に返ったように楓の方を向いた。

以下略



34: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:10:20.95 ID:uhMwzG8T0

「お月見専門の屋台だよ。出てくるのはお団子とお酒と、後はそれから、お椀に入った綺麗なお水」

 少女の説明を受け、今度はプロデューサーが身を乗り出すようにしながら老人に聞いた。

以下略



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