5: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:39:21.12 ID:JntGMmXe0
「朝潮・・・朝潮、お姉さん」
荒潮は、架空であるはずの姉に対し、拭えない濃いモヤを感じる。思い出せそうで思い出せない。喉に骨が刺さったような、妙な違和感。
それは霞も同様だった。何かが記憶から欠けている。それが何かがわからない。
6: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:40:36.28 ID:JntGMmXe0
後日、霰が出社する。
「おはようございます、海野さん」
「おはよう、大海さん」
7: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:41:30.46 ID:JntGMmXe0
唐突に出てきた『朝潮』の名前に、明石は硬直する。しかしすぐに我を取り戻し、霰の話に、真剣に耳を傾ける。
「大潮姉さんは提督の説明で納得したんですけど、今度は満潮、荒潮、霞姉さんがそれに嵌ってしまったようで。
あ、私はそういうのあまりないんですけど・・・」
8: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:42:16.89 ID:JntGMmXe0
提督に約束を取り、いつも通り、適当なカフェで待ち合わせをする。そして、提督との、数カ月ぶりの対面。
「こんにちは」
「久しぶりだな」
9: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:42:58.93 ID:JntGMmXe0
「あっ、それより・・・朝潮型のみんなのことですが・・・
きっといつか、噛み合わない話に不信感を抱き、再び、提督の下にやってくると思います。
そうしたら、提督はどうするのですか?
10: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:43:34.40 ID:JntGMmXe0
「なるようになる。これが、今のところの俺の答えだ。
知りたいというのなら、知ってもらえば良い。それだけだ。
隠したのには理由がある。それをありのままに伝えようではないか」
11: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:44:06.90 ID:JntGMmXe0
某料理店。提督の計らいにより、店でご飯を食べながらの話となった。
店に入ってくる朝潮型姉妹に対し、明石は優しく接する。
「満潮ちゃん! こっちよ」
12: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:44:48.29 ID:JntGMmXe0
「じゃあ、そろそろ、本題に入ります。
今回大潮型の、いえ、朝潮型の皆さんを呼び出したのは、
私と提督が皆さんに隠し続けてきたことを、告白するためです」
13: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:45:35.01 ID:JntGMmXe0
「許せない!」
満潮が机を叩き、立ち上がる。突然のことに、姉妹と明石は目を見開き型を震わせ、提督はゆっくりと目を開けた。
「自殺なんて、絶対に許せない。
14: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:46:21.71 ID:JntGMmXe0
満潮と霞の甲高い足あとが聞こえなくなる頃。すすり泣きがテーブルに響く。
「朝潮姉さん、朝潮姉さん・・・」
荒潮の泣き声が空間に響く。
15: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:46:59.28 ID:JntGMmXe0
「おはよう」
「おはよう」
平日の朝。大潮と霰は、淡々と挨拶を交わし、朝食を取る。
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