6: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:18:35.27 ID:i56WKjGq0
リーダーが美波さんに決まったところで、ありすちゃんが大きく息を吐く。
「美波さんが引き受けてくれてよかったです」
7: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:19:07.78 ID:i56WKjGq0
美波さんと文香さんが部屋を出ていくと、ありすちゃんが私と夕美ちゃんのところに近づいてきた。
「私達もこの後ゆっくりお話でもしましょうか。
下のカフェに行きませんか?」
8: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:19:41.10 ID:i56WKjGq0
「藍子ちゃん、本当にかっこよかったよ! 普段と全然雰囲気が違ってたね」
「夕美ちゃんもクールにできてたと思うよ。やっぱりお姉さんだから、大人っぽかったし」
9: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:20:13.78 ID:i56WKjGq0
「はーい。それにしても、私はこういう方向の演技ってしたことがなかったから新鮮だったなぁ」
「普段の自分と違うほど難しくなっていきますからね。私も、子供らしくと言われると困りましたから」
10: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:20:41.23 ID:i56WKjGq0
PV撮影の当日になった。
移動に使っている車の中では、それについての会話に花が咲いている。
私とありすちゃんが座っている前の列には、美波さんと夕美ちゃんと文香さんが座っていた。
11: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:21:11.05 ID:i56WKjGq0
「これはまだ話が出てるだけなんですけど、設定を作り込み過ぎたみたいで。アニメ化の企画になるかもしれません」
「えっと、アニメ? ドラマじゃ映画じゃなくて?」
12: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:21:41.45 ID:i56WKjGq0
「それでいいんです。同じようなことを後からやる以上差別化は必要ですから。
まったく、なんで社長も乗り気になってるんですか……部長は銀河アイドル伝説ってどんな冗談ですか……
今からどこまでオファーが飛んでいくか怖くて仕方がないのに……」
13: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:22:23.49 ID:i56WKjGq0
「綺麗な場所ですね〜」
「実際に目にしてみると、思っていた以上にいいところでした」
14: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:22:59.66 ID:i56WKjGq0
文香さんが立ち去ると、ありすちゃんと2人きりになった。
少し気まずそうな顔をしている。
「結果的にあれでよかったんじゃないかな? 文香さんもちゃんとわかってたみたいだし」
15: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:23:49.16 ID:i56WKjGq0
「それにしても、本当にきれいなお花畑だね。
小さな頃、花冠や花の指輪なんかを作ったのを思い出すなぁ」
「私はあまりそういう遊びはしてこなかったので、作り方を知らないです。
16: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:24:19.78 ID:i56WKjGq0
今日はライブの本番。これが『アインフェリア』としてひとまず最後のお仕事になる。
会場は大規模なアリーナ。こんな会場は私の単独ライブで使ったことはなくて、『パステルガールズ』でならなんとか、というところだ。
ありすちゃんは単独で使ったこともあるくらいで、私と美波さんはこの規模の会場やドームでのライブに出た経験があるから、落ち着いている。
17: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:24:48.64 ID:i56WKjGq0
「ここだよ」
美波さんの案内で来たのは、スタンド席の外の通路だった。
会場前で人気のない通路の壁に沿って、フラワースタンドが並んでいる。
18: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:25:16.99 ID:i56WKjGq0
「みんな、お疲れ様! いいステージだったわ!」
「文香さんも頑張りましたね。ソロで会場を惹きつけたのは凄かったです」
19: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:25:57.96 ID:i56WKjGq0
「本当に終わっちゃったんだよね。
みんなとお友達になって、お仕事は先輩達に教えてもらって。
いい経験になったし、楽しかったよ。
だから、もっと……って思っちゃうのかな」
20: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:26:29.66 ID:i56WKjGq0
荷物をまとめていると、隣にいたありすちゃんが体を寄せてきた。
「藍子さん。また後で相談したいことがあるんですけど、いいですか?」
21: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:26:57.77 ID:i56WKjGq0
ライブから1週間後。
私と美波さんと夕美ちゃんと文香さんは、961プロの近くにある公園に来ていた。
木陰にブルーシートを広げて、今日はここで打ち上げをすることになっている。
22: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:27:23.65 ID:i56WKjGq0
「みんな、ありすちゃんが来ましたよ」
美波さんの指差す方を見ると、遠くにありすちゃんの姿が見えた。
両手いっぱいにビニール袋を下げている。
23: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:27:54.99 ID:i56WKjGq0
「気を取り直して、準備をしましょうか」
ありすちゃんが持って来た袋を開けていく。
中に入っていたのは、ありすちゃんが担当していたオードブルだった。
24: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:28:20.04 ID:i56WKjGq0
そのあまりにも誰かに似ている物言いに、くすくすと笑いが起こった。
「ふふふ。さぁ、それじゃ、打ち上げを始めましょうか。
ライブの成功を祝して、乾杯!」
25: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/11/08(火) 09:34:43.12 ID:i56WKjGq0
以上です。お付き合いいただきありがとうございました。
この世界観のSSも20本目ですが、今回はヴァルキュリアイベントがあったらどうなるだろうということで、
橘ありす 14歳 中3 Aランク アイドル5年目
新田美波 21歳 大4 Cランク アイドル4年目
高森藍子 17歳 高3 Cランク アイドル3年目
26:名無しNIPPER[sage]
2016/11/08(火) 12:39:36.35 ID:fv7+v8Lco
これ何かの続き?
26Res/41.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。